降り注ぐ白い花びらは、季節外れの粉雪が舞っているようだった。墨色に包まれた山あいの古刹・光福寺(兵庫県佐用町)に、スポットライトを浴びた大イトザクラが浮かぶ。近づくと、悠久の時を重ねる枝ぶりの迫力に圧倒された。
高さ約13メートル。腕を大きく広げたような枝は東西で約15メートルに及ぶ。樹齢300年を超える兵庫県天然記念物。幹の空洞化など、樹勢の衰えが著しく「台風などで倒壊の危険がある」といい、今年の秋には、全体に支柱を組む工事を予定している。
ライトアップは5日ごろまで(日没~午後9時)。駐車場に限りがある。境内では秋の工事に向けた寄付を呼びかけている。光福寺TEL0790・77・0212
(鈴木雅之)