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 兵庫県は15日、神戸市長田区の新長田駅南地区への移転・新築を計画している県立総合衛生学院について、2023年9月の利用開始予定を1年延期すると発表した。新型コロナウイルス禍などによる世界的な建設資材の供給不足で、材料となる鉄骨の入手が難しいためという。同学院は、阪神・淡路大震災の再開発事業が続く同地区での最後の再開発ビルとなる。

 同学院は1972年に創設され、本校(同市長田区海運町7)には助産学科など3学科がそろう。校舎の老朽化が進み、19年に約1キロ東の同市長田区腕塚町5への移転が決定。再開発エリアを活性化する狙いもあった。

 県によると、22年3月に着工し、23年9月にオープンする計画だったが、鉄骨不足で工事を始められず、先送りを余儀なくされた。見直し後の工事開始は23年2月を予定し、24年6月完成、同9月の利用開始を目指す。

 移転先の建物は9階建てで、総合衛生学院は同市中央区の分校にある介護福祉学科を集約した上で1~4階に入る。5~9階は県立大や兵庫教育大の拠点などとして活用され、総事業費は約60億円を見込む。

 新長田駅南地区では、神戸市が震災復興の再開発事業として44棟のビル建設を計画し、既に42棟が完成。残る2棟のうち、分譲マンションと病院からなる1棟は22年度中に完成する見通しで、同学院の建設が終われば地区内での再開発が完了する。(田中陽一)

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