旧優生保護法(1948~96年)下で強制不妊手術を受けた障害者への一時金支給法施行から、24日で3年となった。施行後5年とする請求期限は残り2年だが、支給認定数は全国で千人にも満たない。同法を巡っては、支給対象や申請期限、支給金額などの課題が指摘され、被害者が国に損害賠償を求めた訴訟では、一時金を上回る賠償を命じる「ねじれ」現象も。法改正を視野に動き始める国会議員らの動きも伝わる中、関係者らは「一日も早く、問題の全面解決を」と求めている。(篠原拓真)
一時金支給法は2019年4月24日に成立、施行された。旧優生保護法下では「不良な子孫の出生を防止する」として、障害者らに不妊手術を強制する人権侵害を犯し、救済制度として設けられた一時金支給法では、被害者に一律320万円を支給する。
国によると、約2万5千人が強制不妊手術を受け、全国で約1万2千人(19年時点)が存命と考えられている。だが、同法支給認定件数は今年3月末時点で990件。うち兵庫県内からは18件にとどまるのが現状だ。
さらなる被害把握のため、各地の弁護団などが20日、一斉に開いた相談会。報道などで事前に告知されたが、全国での相談件数は31件、県内は4件だった。「施設入所時に必ず手術を受けるように言われたと親から聞いた」などの内容があったという。
神戸市内の会場で電話を受けた吉山裕弁護士は「全国の相談内容からは、情報が届いていても『恥ずかしい』と声を上げられない人が多いこともうかがえた」と明かし、「優生保護法は障害者本人にも被差別対象の意識を植え付けてしまった」とみている。
■被害把握進まず
一方、国や自治体による被害把握の取り組みは広がりを欠き、吉山弁護士は「請求を期限で切っていいのか。期間を設けるのなら、国や県が積極的に取り組む姿勢が重要だ」とする。
一時金支給法では、法律によって子どもを産む権利を奪われても、手術を受けた人の配偶者は対象外とされ、人工妊娠中絶手術も対象に含まれていない。国の責任も明確化されず、「法律は十分ではない」との声が上がっている。
旧優生保護法下では、兵庫県も全国に先駆け、優生政策推進を目的に「不幸な子どもの生まれない県民運動」を展開。不妊手術に独自の補助制度を設けるなどした。だが運動終了後、県は運動の差別性について公に総括や謝罪をしていない。
被害者が国に損害賠償を求めた訴訟では、大阪高裁が2月に慰謝料1300万円、東京高裁が3月に1500万円の支払いを命じ、一時金支給額を大きく上回る結果となった。このため、全国被害弁護団は「東京高裁判決水準での被害回復」を目指している。
■時間に猶予なし
優生保護法被害兵庫弁護団の藤原精吾弁護士は「問題の全面解決とは、きちんと謝罪をして賠償し、優生保護法が助長強化した差別意識をなくすために、国がきちんと取り組むことだ」と強調する。
藤原弁護士は、社会には障害者への差別はまだ残っているとし、「一時金支給法改正や賠償請求訴訟は問題の入り口だ」と指摘。被害者の多くは高齢で時間に猶予はない。「差別解消には多方面で対策が必要。時間がかかるからこそ、一刻も早く取り組まなければならない」と訴える。
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