ゴールデンウイーク(GW)が始まった29日、兵庫県内の行楽地などは、雨や強い風に見舞われたこともあって人出は少なめ。新型コロナウイルス禍で緊急事態宣言などの行動制限のないGWは3年ぶりだが、解放感は乏しく、「コロナ対策は万全」でも「遠出はせずに近場で楽しむ」といった声が目立った。
神戸ハーバーランド(神戸市中央区)の駐車場には富山、湘南、香川、徳島など遠隔地のナンバーがずらり。テーマパーク「神戸アンパンマンこどもミュージアム&モール」でも多くの家族連れの姿が見られた。
大阪府守口市から2歳の息子と来た会社員の男性(43)は「この2年のGWは遠出をしなかった。今年はそれほど気にせず、出やすい」。1歳の娘と訪れた神戸市中央区の病院勤務の男性(43)は「去年までは外に出たいと思わなかった。娘がアンパンマン好きなので連れてきたが、食事は外食せず家に帰ってから」と明かした。
神戸・元町の大丸神戸店を訪れた高砂市の主婦(67)は「外に出るのは後ろめたかったが、やっと堂々と出掛けられる」。GWでは3年ぶりに長女が帰省するため「公共交通機関は避けるなど、気を付けながら楽しみたい」と気を引き締めた。芦屋市内のジャズイベントに出演した神戸市垂水区のギター講師(49)は大勢の観客を前に演奏を披露し「やましい気持ちを持たず、心から楽しめるGWはうれしい」とにっこり。
娘2人を連れた丹波篠山市の建設業の女性(33)は、丹波市内のイベント会場に出向き「地元の催しがゆっくり過ごせてちょうど良い。遠出しない生活に慣れてしまった」と苦笑い。家族4人で丹波篠山市のキャンプ場を訪れた大阪市の自営業の男性(43)は過去2年のGWも家族でキャンプへ。「アウトドアなら密を回避できる。感染対策をして楽しみたい」と語った。
小学6年の長男が6月上旬に修学旅行を控える朝来市の農家の男性(44)は、人混みを避けるなど感染対策について学校からも呼びかけがあったという。「出掛けられず、かわいそうだが仕方がない。GWは子どもが希望していたカラオケに家族で行く」と話した。