昨年夏に開催された東京パラリンピックの誘致を機に、障害者専用のスポーツ施設や優先的に使える体育館などが全国的に増える中、兵庫県内は13施設で国内最多となることが、笹川スポーツ財団(東京)の調査で分かった。
同財団は、障害者専用・優先施設の要件を「体育館かプールを所有」かつ「障害者の個人と団体の利用がある」と定義。2010年から不定期に調べ、同年は全国116施設だったが、最新となる21年は過去最多の150施設に上った。
兵庫県内は10年の調査で、県立障害者スポーツ交流館(神戸市西区)やしあわせの村(同市北区)など7施設が該当。その後、尼崎市や伊丹市、明石市や姫路市に広がり、21年は13施設とほぼ倍増した。
兵庫が全国トップの施設数を誇ることについて、県障害者スポーツ協会の増田和茂理事長は、1991年設立の県障害者スポーツ連絡協議会の存在を挙げる。「施設間の連携を図っているのは兵庫だけ。細やかなサービスにつながっている」と、障害者の利便性追求の結果とみている。
障害者の専用・優先施設数の2位は愛知県の10施設。3位が大阪府の8施設で、東京都と福岡県が6施設で続く。
調査担当者は、パラリンピックを機にスポーツに興味を持った障害児・者が、いつでもどこでも楽しめる環境の必要性を指摘。「専用・優先施設を拠点に、情報交換や指導者派遣、教室開催などの事業を通して近隣の公共スポーツ施設とネットワーク化を進めることが、これまで以上に重要になる」などとする。(有島弘記)









