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「新しい『パンドラの鐘』にしたい」と意気込む(左から)杉原邦生と葵わかな、成田凌(宮川舞子さん撮影)
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「新しい『パンドラの鐘』にしたい」と意気込む(左から)杉原邦生と葵わかな、成田凌(宮川舞子さん撮影)

 野田秀樹の傑作戯曲「パンドラの鐘」が7月2~5日、大阪・森ノ宮ピロティホールで上演される。主演は葵わかなと舞台初出演の成田凌。NHK連続テレビ小説「わろてんか」での母子役以来の共演となる。

 同作は1999年、蜷川幸雄の依頼で書き下ろし。蜷川演出版と野田演出版が同時期に上演され、話題を呼んだ。蜷川の七回忌にあたっての公演は、気鋭の杉原邦生が演出を手掛ける。

 舞台は太平洋戦争前の長崎。遺跡から巨大な鐘が発掘され、古代王国の存在が明らかになる。鐘は、王位を継いだヒメ女に救われたミズヲが、異国から持ち帰った戦利品。そこには王国滅亡の謎が潜んでいた-。

 物語は古代と現代を行き来し、ラブストーリーとサスペンスが同時進行する。杉原は「いろんなイメージが乱反射し集約されていく世界観を、ビジュアル的に体現したい」と意欲的。原爆や戦争のテーマについても「希望というメッセージをどう未来につないでいけるか、考えながら立ち上げていきたい」とする。

 初演時のミズヲ役は勝村政信と堤真一。映像を見た成田は「打ちひしがれる思いがしたが、自分のエネルギーを発揮できたら」と体当たりで挑む。野田らしい言葉遊びも「どれだけ深く掘っていけるか楽しみ」と念願の舞台に前向きだ。

 葵は「自分で(演技を)固めず、柔軟な対応が大事」とし、緻密な脚本と格闘しつつ、演出に身を委ねる。作品のテーマが今日性を持つ状況に「悲しいことかもしれないが、観客に何かを届けられる」と話す。

 1万1500円。キョードーインフォメーションTEL0570・200・888

(田中真治)

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