「尾木ママ」の愛称で親しまれる教育評論家で、法政大名誉教授の尾木直樹さん(75)が28日、「立ち直るチカラ、生き抜くチカラ ウィズコロナ時代を皆さんと一緒に考える」と題してオンライン講演会を開いた。全国の教育関係者や保護者ら約150人が、子どもとの向き合い方や、いま必要な教育について耳を傾けた。
講演会は共同通信社が主催し、神戸新聞社など全国の地方紙9社が運営協力。電子版「神戸新聞NEXT」の単独・プラスコース会員も招待された。
尾木さんは、保育・学校現場でのマスク着用の影響を考察。喜怒哀楽の感情を習得したり、大人との愛着を形成したりする上で弊害となる可能性を指摘し、「ボディーランゲージや声の抑揚を特に意識して」と呼びかけた。また「学生の中にはマスクを外して、からかわれた経験がある子もいる。どうして外したくないのか、心情に耳を傾けてほしい」と話した。
さらに、新型コロナウイルス禍やロシアによるウクライナ侵攻などを例に挙げ、問題解決のためには「知能だけではなく、人間力が必要な時代。他人に共感する力こそ学力の鍵になる」と、教育方針を転換する必要性を強調した。(貝原加奈)