岸田文雄首相が、参院選の応援で初めて神戸入りしました。「聞く力」を掲げ、この国のかじ取りを担って約9カ月。有権者に何を語るのか。街頭での演説を聞きに行ってきました。
神戸・元町の交差点に立った岸田氏は、うだるような暑さの中、黒いスーツの上着も着て、歩道を埋めた聴衆に向かって約20分間、淡々と語り掛けました。
感想から言えば、喫緊の課題に対し、総花的に対応策を列挙した印象が拭えませんでした。あまり抑揚のない語り口調のためか、耳に残るフレーズは少なかったように思います。
それでも気になった点がありました。岸田氏は、新型コロナ禍対応や物価高対策などの実績をアピールし、「批判だけでは未来は切り開けない。実現不可能な政策を並べても明日は見えてこない」と野党に矛先を向けました。参院選後の自らの安定政権も見据えた発言だと感じました。
一方で、政権が掲げる「新しい資本主義」を巡って「分配も成長も両方がそろってこそ、賃金が上がる」と持論を訴え、物価高への対応にもなるとしました。野党からは「看板倒れ」との批判も聞かれる中、まさに岸田氏が言う実効性が問われていると思います。(選挙担当デスク・井関 徹)
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