文部科学省が28日発表した全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果で、兵庫県内の小学6年生と中学3年生は、自己肯定感や挑戦心、将来の夢や目標があると回答した割合が、いずれも全国平均を0・1~2・7ポイント下回った。新型コロナウイルス禍前より5ポイント前後減少した項目が多く、学校行事や部活動の縮小などで、こうした意識を高める体験が不足している影響も考えられるという。
県教育委員会によると、同テストには県内公立学校のうち、小学6年は735校4万4167人、中学3年は340校3万9632人が参加。国語、算数・数学、理科の3教科を行い、児童生徒と学校を対象に生活習慣や学習環境なども調査した。
児童生徒の意識では、「将来の夢や目標を持っている」と回答した割合が小6で79・7%(全国平均79・8%)、中3で65・5%(同67・3%)だった。2019年度までは小6で85%前後、中3は70%前後で推移していたが、コロナ禍で同テストが中止となった20年度を挟み、再開された21年度から減少した。
県教委は「コロナで社会が混乱し、部活動なども制約されたことが影響している可能性がある」と指摘。挑戦心などを育てる取り組みを進めているという。
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3教科の正答率は、全国平均よりも中3数学が2ポイント、小6算数は1ポイント上回った。一方、小6国語は全国を1ポイント下回り、「算数・数学は強く、国語は弱い」という兵庫の例年の傾向が表れた。理科は両学年とも全国並みだった。
課題が見られた設問は小6の算数で、「果汁20%の飲み物を2人で分けると、果汁の割合も2分の1になる」と誤答した児童が7割近くいた。実生活で経験的に理解していることが、学習に結び付けられていない可能性があるとした。
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タブレット端末などの活用状況については、小中学校とも98%以上の学校で週1回以上利用していた。しかし児童生徒が考えをまとめ、発表する場面での活用は小学校で39・1%、中学校で27・5%と全国を6~8ポイント下回り、使いこなすことには課題が見られた。
スマホなどでゲームをする時間が1日1時間以上ある児童生徒の割合は、中3で前年度より9・5ポイント下がって69・2%になったが、小6は前年度並みの74・1%。いずれも17年度の調査結果より十数ポイント高く、新型コロナによる休校でゲーム時間が増えた生活習慣が定着した可能性もあるという。ゲーム時間が長い児童生徒の平均正答率は、1時間以下の児童生徒より3教科とも10ポイント前後低かった。
県教委は今回の結果を踏まえ、教員の指導力向上の研修やゲーム時間のルール作りなどに取り組むとしている。(古根川淳也)
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