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<県政キャップの視点>改革姿勢示しつつ安全運転 斎藤知事就任1年

2022/08/01 20:10

 兵庫県の斎藤元彦知事が、1日で就任1年を迎えた。選挙戦では「刷新」を掲げて初当選したが、前知事による県政運営は20年にも及び、一気に転換を図るのは難しい。改革姿勢を示しつつ、組織内外の反応を確かめながら安全運転にも気を使った。そんな1年だったように見える。

 庁内には働き方に変化を感じている職員も少なくない。今春には本庁を従来の5部制から12部制に改組。各部の責任と役割を明確化し、その判断を重視する考えを打ち出した。リモート会議や在宅勤務の推進で業務を効率化し、残業時間も減っている。

 ただ、こうした変化は内側にしか分からず、県民からは見えづらい。神戸新聞社とJX通信社が斎藤県政への評価を尋ねた電話調査で、「どちらともいえない」が4割に上ったのは、そのためだろう。

 斎藤知事は公約などに掲げた173項目のうち、この1年で165項目に手をつけたという。県のように中長期の課題に取り組む広域行政の場合、成果がすぐには上がらない側面もあるが、知事選で示された民意は「スピード感ある刷新」への期待だ。

 脱炭素や国連の持続可能な開発目標(SDGs)、2025年の大阪・関西万博など、新しいテーマを踏まえたプロジェクトも続々と官民などで展開する。自身が「この1年でまいた」と表現する「成長の種」をどう開花させ、県民が実感できる変化を打ち出せるか。その成否が若きリーダーを評価する鍵となる。(県政キャップ・田中陽一)

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