兵庫県が５日に始めた新型コロナウイルスの「自主療養制度」で、同日午前９時から抗原検査キットの申し込み受け付けを専用サイトで開始したところ、同９時半時点で１日当たりの上限である千個に達した。６日以降も毎日午前９時から申し込みが可能で、その日の上限に達し次第、受け付けを終了する。

　県によると、検査キットは国から配分され、５０万個を確保している。希望する県民への配布は１日千個から始め、配送などの態勢が整えば４千個まで増やす。キットは午前中に申し込めば、翌日には届くという。

　自主療養制度は、医療逼迫を緩和するのが狙い。診療が必要な高齢者らが適切に受診できるよう、重症化リスクの低い人には、県が無料配布するキットなどで自己検査してもらい、医師の診断がなくても療養可能とした。

　対象者は２～５９歳で基礎疾患がなく、軽症か無症状の人。自己検査で陽性となれば、専用サイトに登録する。療養後には、医療保険の請求などに使える「自主療養証明」も希望に応じて発行する。別の制度がある神戸市民は対象外。

　５日午前、明石市内で県職員ら約２０人が、国から一括して届いた検査キットを一つずつ手作業で梱包。宅配便「ゆうパック」に詰める作業を進めた。

　視察に訪れた兵庫県の斎藤元彦知事は「想定を上回る問い合わせがあった。いち早く自主療養をスタートし、仕事や保健所への手続きなどをスムーズにしてもらいたい」と話した。

　県抗原検査キット配送事務局ＴＥＬ０７８・９１４・５０６６（田中陽一、川崎恵莉子）

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