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 兵庫県は10日、新型コロナウイルス対応で独自に導入した「自主療養制度」に関連し、軽症者向けに無料配布している抗原検査キットの上限を、市町分と合わせて1日当たり1万個まで増やすと発表した。人の移動が活発になるお盆を見据え、自己検査の体制を充実させる。12日から県で4千個、配布に協力する市町で6千個を受け付ける。

 同制度は、検査キットで陽性が判明すれば、医師の診断を経ずに自宅で療養する仕組み。医療現場や保健所の逼迫を防ぎ、重症化リスクの高い高齢者らの受診機会を確保しようと今月5日に始まった。

 当初は1日千個を配布し、徐々に4千個まで増やす計画だったが、申し込みが集中したため対応を検討。県の要請で市町に連携の体制が広がったこともあり、配布数の大幅増を決めた。

 キット配布の対象となるのは、軽症で基礎疾患のない2~59歳(別の制度がある神戸市民を除く)。12日には県内33市町で受け付け可能となる見通しで、残る7市町(明石市、豊岡市、丹波市、南あわじ市、稲美町、佐用町、新温泉町)も順次実施する。申し込みは、県も含め各自治体のホームページなどで受け付ける。

 キットで陽性が確認されれば、県の専用サイトで登録する。県内各地の無料検査所などで陽性となった場合も登録できる。県によると、10日午後3時時点で約2200人が自主療養している。

 斎藤元彦知事は会見で「初めての制度だが、滑り出しとしては順調」と評価し「限られた検査キットなので、県と市町への二重申し込みは避けてほしい」と呼びかけた。

 県抗原キット配送事務局TEL078・914・5066

(田中陽一)

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