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ネタを披露するふじいもやしさん=七福座
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ネタを披露するふじいもやしさん=七福座
ふじいもやしさん(中央)が取り入れたゲームコーナーに参加する代走みつくにさん(右)とちょっきんさん=七福座
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ふじいもやしさん(中央)が取り入れたゲームコーナーに参加する代走みつくにさん(右)とちょっきんさん=七福座

 姫路城そばの七福座(兵庫県姫路市西二階町)の看板演目に、12年間続く無料お笑いライブ「ひめクリ」がある。「事故物件住みます芸人」として知られる松原タニシさんが立ち上げ、月に1度、松竹芸能のピン芸人集団が腕を磨く、お笑い版「虎の穴」だ。今春、「一区切りを」との声も出る中、地元出身芸人が新リーダーに名乗りを上げ、新風を送り込んでいる。(段 貴則)

 新リーダーに就いたのはふじいもやしさん(37)。高校卒業後にお笑いの道に進み、2010年に松竹入りした。トリオやコンビを組んだ後、ピン芸人となった。名付け親は松竹の先輩・森脇健児さん。ユニークな設定のコントが売りで、20年の北河内新人お笑いコンクールで審査員特別賞に選ばれた。

 ひめクリは、舞台の出番が少ない若手にとっては貴重な場だ。12年前、松竹に所属し、まだ売れていないCランクの芸人たちで、お笑い界に革命を起こそうと、松原さんがピン芸人集団「Cクリエーション」を結成。大阪から広島へ108の駅前で路上ライブに挑戦する修業に出た際、姫路で七福座を紹介され、ひめクリを始めた。

 もやしさんも16年に初出演。20年12月から毎月、舞台に上がってきた。今春、最多出演を誇る2代目リーダー、コヤゴ星人さんがすし職人の道へ進み「ひめクリそろそろ終わろうか」と話が持ち上がった。もやしさんは「姫路出身として、何としても続けたかった」とリーダーに手を挙げた。

 今月3日の出演者は、もやしさんに加え、姫路ケーブルテレビの番組でもおなじみの代走みつくにさん、もやしさんが声をかけて初出演したちょっきんさん。もやしさんはネタ2本を披露し、エンディングは、初の試みとして出演者全員でミニコーナーも。代走みつくにさんは「これまではピンネタを披露して終わりだった。もやし革命ですよ」と笑う。

 もやしさんは「もっと見てもらえるよう仕掛けを考えたい」と話している。ひめクリは第1水曜日開催。次回は9月7日午後5時から。

【七福座】JR姫路駅から徒歩10分、姫路市西二階町の西二階町商店街にあるコミュニティーホール。落語家の故桂米朝さんが姫路出身であることにちなみ、同商店街振興組合が2009年、空き店舗を改修して開設した。「ひめクリ」のほか、プロの落語家2人が出演する七福寄席(毎月第3水曜日、1回800円)など、落語の寄席も定期開催している。七福座TEL079・224・6341

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