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和田神社から集落に続く参道。約430メートルのコースは、高低差が約90メートルある=養父市大屋町明延
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和田神社から集落に続く参道。約430メートルのコースは、高低差が約90メートルある=養父市大屋町明延
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広場跡にできた初心者向けのマウンテンバイク専用コース。残土を運んで整備した。車体を大きく傾けて試走する=養父市大屋町明延
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広場跡にできた初心者向けのマウンテンバイク専用コース。残土を運んで整備した。車体を大きく傾けて試走する=養父市大屋町明延
パンプトラックのコース。初心者や子どもたちの練習施設だ=養父市大屋町明延
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パンプトラックのコース。初心者や子どもたちの練習施設だ=養父市大屋町明延
マウンテンバイクコース設置の仕掛け人である明延区の小林史朗区長(左)と、やぶマウンテンバイカーズサポートの村山千春代表(中央)=養父市大屋町明延
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マウンテンバイクコース設置の仕掛け人である明延区の小林史朗区長(左)と、やぶマウンテンバイカーズサポートの村山千春代表(中央)=養父市大屋町明延

 兵庫県養父市大屋町明延にマウンテンバイク(MTB)を楽しめる施設がオープンした。初心者と中級者以上の二つのコースがあり、家族連れでも楽しめるようになっている。中級者以上のコースは、神社の参道をふさいでいた倒木などを自転車の愛好家らが撤去し、土砂の崩落も手直しするなどして整備した。豊かな自然が残る明延地区。「一円電車」の体験乗車や鉱山跡の探検坑道に続く、新たなアクティビティーを目指している。(桑名良典)

 「あの参道を自転車で走るなんて最初は驚いた。こつこつと、ここまで整備してくれたね」

 「木立に囲まれて真夏も意外と涼しいんですよ。自然を感じながら走れるコースに仕上がりました」

 7月24日、本格的なマウンテンバイクコースの仕掛け人の2人が、笑顔で話し合っていた。

 神戸市灘区で自転車店を営む村山千春さん(45)が、明延区の小林史朗区長(64)に構想を打ち明けたのが1年前。村山さんは、愛好家らと一般社団法人「やぶマウンテンバイカーズサポート」(養父市)を立ち上げ、今年4月から週末を中心に本格的にコース整備を手がけてきた。

 参道を駆け下りるコースは「あけのべホーリーライド」と名付け、山の中腹にある和田神社の境内から、まちの中心部にある両松寺の横までの約430メートル。高低差は約90メートルで、急傾斜に加え、階段まである。

 コース整備は、上っては下りたりしながら重労働だったという。この日も、コース途中、崩れ落ちそうな場所を木の板やパイプで補修するメンバーの姿があった。路面に凹凸があれば、板を並べて簡易のジャンプ台を設置する仕掛けも施した。

 一方、初心者向けのコースは、かつて地区内の公園だった場所を「あけのべパンプトラック」とした。メンバーらが残土を入れ、重機で固めて整備した。1周70メートルで、コースに波のような起伏などを設けた。

    ◇    ◇

 7月31日、オープン日を迎えた。村山さんはテレビや新聞、市広報誌などの取材対応に追われた。マウンテンバイクの愛好家は増えているが、本格的な専用コースは関西にまだ少ないことなどを説明した。その上で「明延は阪神間から車で約2時間の好立地。豊かな自然が残り、宝の山に見える。みなさんの理解を得て、コースをさらに増やせれば」と意欲を語った。

 「実際に参道を駆け下りる様子を撮影させて」との取材陣の要望に、快く応じてくれたのが神戸市東灘区の高校1年生。境内の近くからジャンプしながら、急傾斜の参道を進む。「前半は一気に駆け下り、後半はカーブがありテクニックが必要なコース」と紹介してくれた。

 小林区長もコースに姿を見せ、和田神社まで歩く。「かつては山の中腹まで集落があり、鉱山で働く人は参道を使っていた。車が通れる道も整備されて(参道を)使わなくなり、近年は荒れてたんで助かった」と話す。「この辺りは今や高齢化が進む過疎地だ。一円電車に続く売り物になって、にぎわいにつながれば」と期待を込めた。

    ◇    ◇

 使用料は1人1日500円。PayPay(ペイペイ)によるQRコード決済のみ。各コースの入り口にQRコードなどを表示した案内板がある。

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