兵庫県西宮市の阪神今津駅前の老舗喫茶店に、風変わりな名物メニューがある。その名も「目玉のおやじトースト」。店頭の看板には漫画「ゲゲゲの鬼太郎」のキャラクター・目玉おやじを描き「とろ~り目玉がおいしいよ」との吹き出しを付ける。なぜ西宮市今津地区で? 店の扉を開けると、今年で生誕100年を迎えた筆者の故・水木しげるさんとまちの縁が見えてきた。(池田大介)
厚さ4センチのトーストにベーコン、チーズ、半熟たまご。まん丸の黄身は確かに目玉おやじにも見える?
「意外と人気なんです」
開業45年になる「初音屋」のマスター立花吉博さん(71)が笑う。ジャズが響き、昭和の面影が色濃い店内を見渡すと…。あれ、壁に鬼太郎のポスター、カウンターに水木漫画が並ぶ。
聞くと、実は水木さんは今津に住んでいたのだ。
戦後、神戸市兵庫区水木通でアパート「水木荘」を経営してペンネームを「水木」としたのは有名な話だが、その後アパート経営に失敗し、引っ越した先が、ここ今津だった。1953~57年の5年間、紙芝居作家として暮らしたという。
「2000年ごろ、誰かのブログで初めて知って驚いた」。そこで立花さんは地元の人々に記憶を聞き取ったが、今津時代の水木さんは無名で、知る人はほぼいない。しかし、片っ端から調べると「水木しげる伝」や「ゲゲゲの家計簿」など自伝的作品に、今津の風景が描かれていた。
08年、立花さんは今津駅前商店街の副理事として、もっと地元に知ってもらおうと、水木邸跡を示す看板を設けた。「目玉のおやじトースト」も水木さんにあやかり19年に考案した。
「まちの活性化にもなる。これからも駅前に水木さんや妖怪の銅像を建てて発信していけたらいいな」と今後の思いを語った。
ちなみに、トーストは耳をちぎり、たまごにつけるのがいいのだとか。早速いただくと…、目玉が、いや、ほっぺが落ちそうになりました。
◇
■無名の紙芝居作家時代、鬼太郎の前身描く
1950年代前半は空前の紙芝居ブームだった。西宮・今津で当時を過ごした水木しげるさんも、紙芝居作家として多くの作品を描き上げた。
その一つ「空手鬼太郎」は、兄の子どもをモデルに「鬼太郎」と名付けた主人公が沖縄で空手家として活躍する話だ。人気作となってシリーズ化し「ゲゲゲの鬼太郎」の前身となった。その意味では、鬼太郎は今津で誕生したともいえる。
ほかにも神戸新聞阪神版は、水木さんを取り上げていた。見出しは「愛は強し補助金辞退」。
今津在住時代、BC級戦犯として収容されていた兄の家族と同居していた水木さんは52年、西宮市から出る生活補助金を義姉が辞退していた。記事は「けなげに生き抜く戦犯家族」と報じる。
その後、水木さんは57年、テレビが普及する中で紙芝居に見切りをつけ、貸本漫画に活路を見いだすべく、上京する。
【みずき・しげる】1922年大阪市生まれ、鳥取県境港市出身。43年に応召。パプアニューギニアで爆撃に遭い左腕を失う。復員し、神戸市兵庫区水木通で紙芝居作家として活動を始めた。西宮市内での生活を経て上京後、漫画家に。ペンネームは水木通で経営していたアパート「水木荘」にちなむ。代表作「ゲゲゲの鬼太郎」のほか、「河童の三平」「総員玉砕せよ!」など作品多数。2003年旭日小綬章、10年文化功労者。15年11月30日に93歳で亡くなった。
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