夏休みが終わり、2学期が始まる9月前後は、子どもの自殺が増える傾向にある。勉強や人間関係に悩む子どもを支えようと、兵庫県教育委員会は交流サイト(SNS)を使った悩み相談を展開。神戸市は、中学1、2年生を対象に「いのちとこころの学習」を実施し、「つらいって言っていい、弱みを見せていい」と呼びかけている。
文部科学省によると、2020年に自殺した小中高校生は過去最多の499人で、21年も473人と高止まりしている。月別で見ると、8月、9月に特に多い傾向がある。
■SNSで受け止める
「学校に行くのがしんどいです」「夏休みの宿題ができていません」
LINE(ライン)などを活用し、県教委が18年度に始めた「ひょうごっ子SNS悩み相談」には今の時期、そうした相談が寄せられるという。相談員は「うん、うん。そうなんだね。その気持ちを誰かにお話ししたことはありますか?」などとコメントを返す。
相談時間は午後5~9時で、21年度は過去最多の2392件。月別で7~9月、内容別では友人関係の悩みが25%で最も多かった。
今年の夏休みが残り少なくなった8月24日には、「友だち登録」をする約9400人に「2学期がスタートしますね。ひとりで悩まず相談してね」とメッセージを送り、利用を促した。
県教委は、教員OBや臨床心理士が電話で対応する「ひょうごっ子悩み相談」も実施。24時間365日受け付け、21年度は5182件が寄せられたという。
■自殺予防教育
神戸市では、市精神保健福祉センターと市教委が連携し、「いのちとこころの学習」を進める。自殺予防教育に詳しい奈良女子大大学院非常勤講師で臨床心理士の阪中順子さんが監修した独自の内容で、18年度から23校で公開授業を行い、9月には4校で予定する。
授業では、追い詰められたときの心理状況を学んだり、友人の悩みを聞くロールプレー(役割演技)をしたりする。スクールカウンセラーらが、自分や友人の心の危機に対応するときの合言葉「きょうしつ(教室)」=表=を示し、「つらいとき、大切なのは伝えること」と語りかける。
文科省によると、児童生徒の自殺の原因や動機の分析で、20年の最多は「進路に関する悩み」。「学業不振」や「親子関係の不和」が続き、同市精神保健福祉センターの担当者は「誰にでもあり得る」とする。だからこそ、日本自殺予防学会の理事も務める阪中さんは、子どもたちにメッセージを送り続ける。
「少しでもいいから誰かに話せると、そのモヤモヤを放せるかもしれないよ。きっと、あなたの話を否定せずに分かろうとしてくれる大人がいる。必ず出会えるから探し続けて」
(中島摩子)
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