兵庫県西宮市消防局の男性消防士(37)が電車内で女性の太ももを触ったとして逮捕された事件で、市消防局は2日、消防士を停職6カ月の懲戒処分とした。消防士は同日、依願退職した。
市消防局によると、消防士は6月11日、大阪府内を走る電車内で隣に座っている女性を触ったとして、府迷惑防止条例違反の疑いで現行犯逮捕された。翌日に釈放され、7月12日に書類送検されていた。
市は内規で、痴漢行為に対する処分を免職、停職、減給のいずれかと規定。市消防局は処分の重さを審査する庁内委員会に対し、本人の言い分のみに基づき「示談が成立し、8月に不起訴になった」と説明していたが、書面の確認や捜査機関への照会といった裏付けは取っていなかった。
この消防士は、書類送検の前日に府警から市消防局に連絡が入るまで、逮捕されたことを職場に報告していなかった経緯がある。処分の重さに影響しかねない情報を、未確認のまま庁内委に提示した点について、市消防局の長谷川孝治総務部長は「今後は気を付ける」と述べた。(山岸洋介)