昨年秋にデビューした兵庫県・淡路島の新たなご当地グルメ「淡路島えびす鯛」が2年目のシーズンを迎えた。1年目は2万食以上、約3億円を売り上げる好スタートだった。今年はさらに知名度アップを図ろうと、46の飲食店や宿泊施設が自信のメニューを展開する。(内田世紀)
丸山漁港(南あわじ市)で水揚げされるタイが「献上鯛」として大正から令和まで4代続けて天皇陛下に提供されるなど、淡路島近海は古くからタイの漁場として知られる。
特に秋のマダイは脂がのってうま味が増すといい、昭和期には多くの観光客が天然マダイを目的に島を訪れたとされる。しかし近年は、全国的に有名な「明石鯛」や「鳴門鯛」に押されがちだった。
そこで2021年、県や島内3市などでつくる「食のブランド『淡路島』推進協議会」が、漁業協同組合や飲食店と連携。新ブランド「淡路島えびす鯛」と名付けてPRを始めた。
初年は、47店舗が和食の伝統料理や洋食をアレンジした創作料理を提供。9~11月に計2万1347食、宿泊プランを含む総額で約3億380万円を売り上げた。今年はこれを上回る目標を掲げる。
南あわじ市の吉備国際大学で今月1日、10店舗の料理人が自慢の料理を披露。定番のお造りやお茶漬けのほか、淡路島の郷土料理「宝楽焼」やフランスの蒸し料理「ヴァプール」などが並んだ。
全店舗を盛り込んだパンフレットも更新し、パスタやコロッケなどが新たに加わった。同協議会の会長を務める藤原祥隆淡路県民局長は「知名度はまだまだだが、淡路のタイには歴史と誇りがある。広く知ってもらい、たくさんの人を淡路島に迎えたい」と話していた。