霊感商法や高額献金などが問題となっている世界平和統一家庭連合(旧統一教会)とその関連団体について、兵庫県内の3首長が表敬訪問の受け入れやイベント出席などの接点があったことが神戸新聞の取材で分かった。自治体としても4市が寄付を受けたり、助成金を出したりしていた。(まとめ・高田康夫)
今月9~20日、兵庫県と県内41市町を対象に、接点があったかどうかをアンケート形式で尋ねた。
首長との接点が「あった」としたのは西宮、赤穂、たつのの3市。石井登志郎・西宮市長は2021年7月、関連団体が行うイベント「ピースロード」で、関係者の表敬訪問を受け入れていた。「知人からの紹介」だった。
牟礼正稔・赤穂市長は「ピースロード2021イン姫路 連結式」に出席。市議を通して出席依頼があったという。山本実・たつの市長も同じイベントで20年に祝電を送り、21年には市役所に立ち寄ったイベント一行にあいさつした。また市長交際費から激励金5千円を支出していた。
赤穂市長は「イベント内容が平和に関するものであり、旧統一教会と関連していると認識していなかった」とした。西宮市長は「関連団体と認識していなかった」、たつの市長は「深く認識せず他の平和運動と同じ扱いをした」としている。
自治体として接点が「あった」のは神戸、姫路、伊丹、赤穂の4市。
神戸市では市社会福祉協議会も含め、関連団体や旧統一教会から3回の寄付(計約23万円)を受けた。さらに後援名義の使用許可、助成の交付(20万円)、催しへの職員出席もあった。計5件のうち2件は直接申し出があり、3件は神戸市議が仲介していた。同市は「今後はイベントなどへの出席依頼や寄付の申し出などは断り、慎重かつ適正に対処する」としている。
姫路市は20年と21年に関連団体のイベントに職員が出席。ほかにも関連団体の清掃ボランティアに袋を提供し、用具を貸与。同市などが主催するイベントに関連団体が10~19年、ブースを出していた。伊丹市では病院関連の寄付1万円を受けており、赤穂市では職員が市長に随行し、イベントに出席していた。
このほか、芦屋市も接点が「あった」と回答。「ピースロード」関係者が市長室に来庁し、イベントへの出席を依頼されたが断ったという。
アンケートでは、社会的な問題が指摘されていることや政教分離の原則などを理由に旧統一教会と「関係を持つべきではない」と答えた首長が35人に上った。
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