神戸ハーバーランドの入り江に、跳ねない跳ね橋がある。30年前のまちびらきに合わせて設置された通称「はねっこ」だ。3年ほど前までは水陸両用船の往来時に定期的に上げ下げしていたが、船が運休となり、可動橋としての役目を失った。単なる歩道橋としてたたずむ現状に、経緯を知らない近隣住民からはこんな声も。「えっ、この橋、跳ね橋なんですか?」(小川 晶)
市神戸港管理事務所によると、はねっこは、長さ21メートル、幅4・3メートル。1992年、ハーバーランドのまちびらきと同時に、「ウオーターフロントの新しい景観創造を」と設けられた。周辺にヨットやボートを係留する計画があり、その出入りを想定して可動橋となったという。
オランダなどヨーロッパで普及する「平行四辺形跳開橋(跳ね橋)」の構造で、設置当時の資料には「歩道橋としてのこの形式の橋は日本で初めて」との記述がある。シンボル性とともに、イベントでの活用も期待されていたようだ。
だが、実際には係留施設は設けられず、まちびらきから10年以上、ほとんど活用されなかった。本格的に稼働するようになったのは2007年ごろ。はねっこの内側の入り江で着水する観光用の水陸両用船が運航を始めたのがきっかけだった。
運航時間帯に合わせ、朝に橋を上げて、夜に下ろすサイクルが定着。跳ね上がっている日中は人が渡れないが、入り江に沿って迂回できるため、特に問題がなかったとみられる。
しかし、水陸両用船にトラブルが相次ぎ、17年に営業を休止。運航会社によると、19年に新しい船舶を導入して一時復活したものの、新型コロナウイルスの感染拡大などもあり、再開のめどが立っていないという。
現在のはねっこは、夜のライトアップで、ウオーターフロントの雰囲気づくりに貢献しているものの、跳ね橋としては全く機能していない。市神戸港管理事務所の担当者は「今となっては『何で跳ね橋を設置したのか』という感じ」と苦笑する。「散歩やジョギングなどで橋を利用する人がおり、理由もないのに上げ下げするのは通行の妨げになる。現状では、船舶などの往来がないと活用は難しい」とする。
◇ ◇
普段は下りたままのはねっこだが、月に1回、ごくごく短時間だけ稼働することがある。定期点検による動作確認だ。同事務所の許可を得て、貴重な機会に同行させてもらった。
担当者が分電盤を開き、鍵を回すと、流れ始める軽快な音楽。「上昇」ボタンを押すと同時に、「ブー」というブザー音が響き、支柱につり上げられる形で跳ね橋が上昇を始める。
完全に跳ねきるまで、約2分。意外に短い。簡単な確認作業を終えると、再び音楽が流れ始め、ゆっくりと下降していく。
「点検の時間帯は橋を渡れなくなりますが、苦情を受けたことはないですね。むしろ、珍しそうに写真を撮る人がいるぐらいです」と担当者。この動作確認で異常が見つかったことはなく、いつでも上げ下げできる状態を維持できているという。
跳ねられるのに、跳ねる機会がないはねっこ。市の観光施策などからもはねられ、今日もハーバーランドの片隅でひっそりとたたずんでいる。
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