兵庫県加東市の遊園地「東条湖おもちゃ王国」で立体迷路施設の床が抜け落ち、利用客6人が重軽傷を負った事故は10日、発生から丸1年となる。消費者庁の消費者安全調査委員会(消費者事故調)は、踏み板を支える床材の防腐処理が不十分だったとみて、詳しい事故原因を調べている。立体迷路は屋根がなく建築基準法の適用外で、木造の内部は雨ざらしの構造だが防腐に関する定めがなかった。同委員会は同種施設への法規制の必要性も視野に再発防止策を図る。(谷川直生)
事故は昨年10月10日昼に起きた。木造5階建て立体迷路で3階の床の一部が抜け、客7人が約2・4メートル下の2階へ転落。うち2人が腰の骨を折り、4人が顔の打撲などのけがを負った。
兵庫県警や消費者事故調によると、床の踏み板を支える梁(はり)が腐食していたことが判明。それが原因で客が歩く際の荷重に耐えられず、梁が崩れ落ち床板も落下したとみられている。
5月から事故原因を調べる消費者事故調は、立体迷路の木材に適切な防腐措置がされていなかったという認識で、施設そのものに欠陥があった可能性を指摘する。これに対し、立体迷路の製造会社「キートス」(千葉県浦安市)の担当者は神戸新聞の取材に「防腐加工された木材を使用した。メンテナンスを適切に続けていれば安全に使えると考えている」と説明した。
建築基準法は、行政が建物の所有者らに対し、防腐措置に関する指導や助言ができると定めている。しかし、屋根がない立体迷路は同法上の建築物とはされず、他の法令による規制や基準もない。
消費者事故調は今回の事故を、規制をかける関係法令や所管官庁がない「隙間事故」と捉え、同種施設での再発防止策を議論している。中川丈久委員長(神戸大大学院法学研究科教授)は神戸新聞の取材に「製造者や管理者の自助努力だけで次の事故を防げるとは限らない」とした上で、「建築基準法の改正や新法の提案、行政指導などの方法を検討していく」と話した。
一方、事故が起きた立体迷路は遊園地スタッフが毎日、目視や歩いて点検していたというが、見えにくい梁の腐食は目視できなかった可能性もある。リスク評価法が専門の関西大社会安全学部の一井康二教授は「点検項目を一覧化すればルーティンになり、それ以外に意識が向かなくなる可能性がある。定期的に担当者を変えるなどの視点が必要」と指摘する。
キートスが手掛けた立体迷路を巡っては14年9月、「軽井沢おもちゃ王国」(群馬県嬬恋(つまごい)村)でも施設の床が抜け、2人が軽傷を負う事故があった。こうした過去の事故も踏まえ、兵庫県警は業務上過失傷害容疑で、事故原因や事故が予見できた可能性などを捜査している。
【加東市の立体迷路事故】2021年10月10日午後2時過ぎ、加東市黒谷の遊園地「東条湖おもちゃ王国」にある立体迷路施設「カラクリ迷宮のお城」3階で床の一部が抜け、親子ら7人が2階に転落。20代の男女2人が腰の骨を折るなど、当時7~38歳の6人が重軽傷を負った。兵庫県警は同月、業務上過失傷害容疑で運営会社事務所などを家宅捜索。消費者安全調査委員会も今年5月、事故原因などの調査を始めた。
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