政府は9月、新型コロナウイルスワクチンの小児接種(5~11歳)を予防接種法上の「努力義務」に位置付けた。子どもでも発症や重症化の予防に一定の効果があるとして、成人と同様の扱いを適用した。だが、接種率は依然、全国で2割程度と低迷。兵庫県立こども病院(神戸市中央区)感染症内科医の笠井正志さん(50)は「小児接種はウィズコロナな社会をつくる上で最後のピース」と強調する一方、「接種を巡ってはジレンマもある」とも語る。真意を尋ねた。(聞き手・金 旻革)
-オミクロン株が中心の感染「第6波」から子どもの感染が増えた。
「子どもが明らかにコロナにかかりやすくなった。県内の病院は発熱外来がパンクし、予約しても受診が3日後になる事例もあった。今まさに熱が出ている子どもを診られないなんて状況は考えられないこと」
-こども病院は。
「第5波まではコロナの救急外来や入院の患者は週に1、2人程度だったが、第6波以降は毎日10人近くの患者が出た。入院患者ではけいれんの症状が多く、急性脳症もあった。小児患者向けの重症病床は、県内でこども病院と県立尼崎総合医療センターにある計4床のみ。一時は4床全てが埋まり、その間に一人でも重症患者が出れば対処できない綱渡りの事態だった」
-医療崩壊をほうふつとさせる状況だ。
「医療崩壊を防ぐにはワクチン接種しかない。多くの人が打つことで集団免疫が高まり、結果として医療機関への受診者が減る。初回接種を今済ませば、予想される第8波で3回目接種が間に合うだろう。3回目接種まで受けることで効果が一丁前になるとされている。次の波までに子どもの接種率が50%に達していなければ、県内の小児医療体制は持たない恐れがある」
-小児接種には「ジレンマがある」と語った。
「一般的にワクチンは感染予防効果が極めて高い。肺炎球菌やヒブ(インフルエンザ菌b型)感染症のワクチンが例に挙げられ、効果はほぼ100%。一方、コロナワクチンの効果は世界のデータを照らしても感染予防で30~50%、発症予防の効果が50~60%程度。定期接種ほどの効果は確認されていない。重症化リスクも下げるが、小児は他の世代と比べて重症化率は低い。大人ほどの高い割合ではないが、発熱や腫れの副反応は出る。接種のメリットが圧倒的に勝るとは言いいにくいのが現状だ」
-子どもへの接種を悩む保護者は少なくない。
「家庭の事情で判断してほしい。乳児がいたり、妊婦がいたり、エッセンシャルワーカーがいたり、受験生がいたりなど感染対策をより徹底したい事情があれば接種を受けた方がいい。ワクチンを打たないよりも、打つメリットがあれば積極的に接種を受けてほしい」
-接種率を高めるのに必要なことは。
「ワクチンをどの医療機関で、いつ接種を受けられるのかが分かりにくい。思い立ったときに受けられる環境整備が理想的だ。県の大規模接種会場はあるが、2カ所しかない。接種率を上げたいなら、市町は集団接種体制を強化すべきだ。行政が接種を勧めるのだから、適切な接種体制の構築は行政の責任でもある」
◇
県は、小児接種について理解を深めてもらおうと解説動画を作り、インターネット放送局「ひょうごチャンネル」で公開。笠井さんが登場し、努力義務となった背景や接種のメリット、デメリットなどを分かりやすく説明している。
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