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1997年に起きた神戸連続児童殺傷事件で、全ての事件記録を廃棄したことが分かった神戸家裁=20日午前、神戸市兵庫区荒田町3
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1997年に起きた神戸連続児童殺傷事件で、全ての事件記録を廃棄したことが分かった神戸家裁=20日午前、神戸市兵庫区荒田町3

 神戸市須磨区で1997年に、小学生5人が襲われ、2人が殺害された連続児童殺傷事件で、14歳で逮捕され、少年審判を受けた「少年A」の全ての事件記録を神戸家裁が廃棄していた問題で、家裁の担当者が20日、報道各社の取材に応じた。廃棄に至った経緯については不明としたうえで、当時の判断について「適切ではなかった」と改めて説明した。

 一般的な少年事件の捜査書類や審判記録は、少年が26歳に達するまで保存するよう規定。史料的価値や参考資料となるべきものと判断した事件については、最高裁の内規や通達で永久に保管する「特別保存」が定められている。

 神戸家裁の担当者は、廃棄された書類の詳細について「廃棄されているので不明」としつつ、一般的には、警察や検察から送付された捜査書類などが含まれるとした。廃棄の時期や判断理由、検討の過程などについても「不明」と繰り返した。

 その一方で、特別保存としなかった判断については「現在の運用からすると、(廃棄の判断は)適切ではなかった」と述べた。同家裁における特別保存の適用例は、家庭内の紛争などを取り扱う「家事事件」で3件あるが、少年事件ではないという。

(霍見真一郎、篠原拓真、小川 晶)

【神戸連続児童殺傷事件】1997年2~5月、神戸市須磨区の住宅街で小学生5人が次々と襲われ、2人が殺害された事件。中学3年で当時14歳だった「少年A」が殺人容疑などで逮捕された。刑罰の対象年齢を引き下げる法改正のきっかけとなった一方、犯罪被害者の支援に目が向けられる契機にもなり、2001年施行の改正少年法では、被害者に記録の一部の閲覧・コピーを認め、08年施行の改正法では、重大事件の被害者や遺族に少年審判の傍聴を認めた。兵庫県では心の教育を見直そうと、98年から中学2年での職場体験学習「トライやる・ウィーク」が始まった。

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