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25年前に発生した神戸連続児童殺傷事件の全記録廃棄が明らかになった神戸家庭裁判所=20日午前9時41分、神戸市中央区荒田町3(撮影・小林良多)
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25年前に発生した神戸連続児童殺傷事件の全記録廃棄が明らかになった神戸家庭裁判所=20日午前8時33分、神戸市中央区荒田町3(撮影・小林良多)
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25年前に発生した神戸連続児童殺傷事件の全記録廃棄が明らかになった神戸家庭裁判所=20日午前8時33分、神戸市中央区荒田町3(撮影・小林良多)

 「調査を行う予定はございません」。20日正午過ぎ、詰めかけた報道各社に対し、神戸家裁の担当者は繰り返し強調した。神戸連続児童殺傷事件の事件記録を家裁が廃棄していた問題は、その時期や経緯、理由など詳細が分からないまま。不適切な判断だったと認めつつも「現在の運用では」と条件を付けるなど、歯切れの悪さが目立った。

 報道陣の質問はまず、事件記録が廃棄された経緯と理由に集中した。少年事件の記録は、史料的な価値などがあれば、永久保管の「特別保存」とするよう最高裁の内規で定めているが、連続児童殺傷事件では適用されていなかった。

 しかし家裁の担当者は、関連資料を含めた一切の記録がないことを理由に直接的な回答を避けた。廃棄の時期も、制度の規定などを逆算した「2008年~19年」という期間の示唆にとどまった。

 一方、廃棄の事実については「現在の特別保存の運用からすると適切ではなかった」との判断を示した。だが当時の運用に基づく見解や内規に抵触するかどうかの認識は明言せず、同様のコメントを繰り返した。

 報道陣からは、過去の職員への聞き取りなど事実関係の調査についての質問も相次いだ。しかし担当者は「特別保存の認定は裁判所が行うことになり、職員に聴取しても、個人の見解の範囲にとどまる」と重ねて主張。組織を前面に出した理由づけで、調査に否定的な姿勢を示した。

 取材に応じた担当者の説明は、手元の資料の読み上げが目立った。廃棄の経緯を調査しないとの方針は、最高裁など上級庁とのやりとりを経て決めたという。

(霍見真一郎、篠原拓真、小川 晶)

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