世界文化遺産・国宝姫路城と姫路駅を結ぶ大手前通りに面し、2018年2月末に閉店した老舗百貨店「ヤマトヤシキ姫路店」(兵庫県姫路市)の跡地に、マンション大手長谷工コーポレーション(東京)などが地上16階建て200戸規模の分譲マンションを建設する計画をまとめたことが21日、関係者への取材で分かった。来年秋の着工、26年2月ごろの完成を見込み、1階部分には商業店舗が入る。同社が地元説明を始めた。
敷地面積は約3千平方メートルで大手前通りとみゆき通り商店街に面する一等地。計画によると、事業主は近鉄不動産(大阪市)と大林新星和不動産(東京)で、長谷工は設計と施工を担う。一帯は景観保護のため、建物の高さや意匠などの規制があり、大手前通り側が地上11階、みゆき通り側が同16階の構造となっている。
同店は太平洋戦争の空襲で焼け野原となった現在の場所にいち早くオープンし、商業面で戦後復興を支えた。旧店舗は地上8階(一部12階)建てで、赤色の屋上看板は姫路のシンボルとして市民から愛された。
13年以降、姫路駅前の再開発で店舗間競争が激化し、業績が低迷。免税店大手「ラオックス」(東京)が17年から同店の経営再建に参画したが断念し、21年4月から解体工事を始めた。既に更地となっている。
長谷工は今月18日、姫路市や商工団体の関係者らに説明した。同社の担当者は「調整中のため詳細は控えたい」とした上で「注目度が高いので、魅力的な物件となるよう努力する」としている。(井上 駿)