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森崎輝行さん
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森崎輝行さん

 政府は2022年秋の褒章受章者を2日付で発表した。受章者は717人(うち女性158人)と29団体で、発令は3日。兵庫は26人だった。学問や芸術・文化などの功績者に贈られる紫綬褒章には、警察小説「新宿鮫」シリーズで知られる作家大沢在昌さん(66)、NHK朝の連続テレビ小説の脚本も手がけた劇作家・演出家のマキノノゾミ(本名・牧野望)さん(63)らが選ばれた。

 紫綬褒章は9人で全員男性。内閣府によると、女性の受章者がいなかったのは1983年秋以来という。学問分野では東大地震研究所長を務めた東大教授小原一成さん(62)らに贈る。その道一筋に励んだ人を対象とする黄綬褒章は242人(うち女性16人)。神戸市須磨区の建築家森崎輝行さん(74)は、阪神・淡路大震災からの復興まちづくりに尽力した。

 「阪神・淡路大震災が建築家人生の転機。建物単体ではなく、まち全体を見るようになった」。神戸大工学部建築学科を卒業後、現在の日建設計や建築家安藤忠雄さんの下で研さんを積み、1976年に独立。気鋭の建築家として美術館の設計などを手がけていた95年、震災に遭った。

 神戸市須磨区在住。自身の母を含め、震災前から活性化に取り組んできた下町の人たちの命も、建物も景観も奪われた。壊滅状態となった同市長田区の野田北部地区などで復興まちづくりに奔走。鷹取東第一地区の土地区画整理事業、新長田駅南地区の再開発事業にも携わり、住宅や仮設店舗も数多く手がけた。

 兵庫県建築士会副会長などを歴任。上方落語の定席「神戸新開地・喜楽館」(同市兵庫区)も設計した。受章の報に「次のステージでは、自分の生きてきた道を伝えることで若い人を育てていく」。穏やかな笑顔で進み続ける。(綱嶋葉名)

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