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巣の前をふさぐ枝を、宙づりになりながら伐採する作業員=但馬地域の扇ノ山周辺
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巣の前をふさぐ枝を、宙づりになりながら伐採する作業員=但馬地域の扇ノ山周辺
巣の前をふさぐ枝を、宙づりになりながら伐採する作業員=但馬地域の扇ノ山周辺
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巣の前をふさぐ枝を、宙づりになりながら伐採する作業員=但馬地域の扇ノ山周辺

 但馬地域の扇ノ山周辺にある国の天然記念物・ニホンイヌワシの繁殖用の巣周辺で10月末、巣への出入りの妨げとなる樹木が伐採された。今春、この巣で23年ぶりに生まれたひなが巣立ちに失敗した主な要因と考えられており、来春以降の巣立ちに好影響を与えそうだ。

 作業は兵庫県立人と自然の博物館と日本イヌワシ研究会員らによって計画された。高所での特殊作業を専門とする業者2人が、ロープで宙づりになりながら5本の樹木を伐採。巣の前は一気に視界が開けた。

 ひなは今年3月末にふ化し、順調な成育が確認されていた。しかし6月に入り親鳥がえさやりを止めるなど巣立ちを促す行動を取ってもひなが姿を見せず、8月の現地調査で巣の中で死んでいるのが確認されていた。

 半世紀にわたって観察を続ける同会員の三谷康則さん(74)は「ただでさえハードルが高い巣立ちなのに、前がふさがれると出るのにちゅうちょしたはず。これでかなり簡単になる」と目を細めていた。

 今秋も巣の周辺ではつがいによる求愛行動が見られた。2年連続の産卵に期待が高まっている。

(山崎 竜)

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