子どもを巡る事件事故や過労死の問題に取り組み、兵庫県の明石歩道橋事故では遺族弁護団代表を務めて6月に67歳で死去した弁護士渡部吉泰さんのお別れの会が27日、神戸市内で開かれた。事件事故の遺族、親交があった弁護士らが参列して故人をしのんだ。
渡部さんは、広島県で姫路市内の中学生らがコンテナに監禁されて死亡した「風の子学園事件」で遺族代理人を務め、大津市の中2男子自殺では第三者委員会副委員長を担った。
たつの市で起きた体罰後の小学生自死、兵庫県立龍野高校テニス部員の熱中症、西日本高速道路の社員過労死も担当し、明石歩道橋事故では真相解明に向けて遺族を支えた。
祭壇には記者会見時の遺影が掲げられ、歩道橋事故遺族の下村誠治さんは「先生と出会えたから15年もの裁判を闘い、思いを遂げられた」と感謝した。白井義道さんも「『他の弁護士がやらないことをやる』という言葉は、被害者に寄り添う優しさと正義感にあふれていた」と振り返った。
弁護士仲間は「依頼者への愛情、結果を出す(ことに対する)執着心、大きな相手にも絶対負けない気迫があった。頼もしいリーダーだった」と語った。(松本寿美子)









