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新型コロナウイルス流行前、渋滞する中国自動車道。この年末年始は同規模の混雑が予想されている=2020年1月4日、西宮市内
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新型コロナウイルス流行前、渋滞する中国自動車道。この年末年始は同規模の混雑が予想されている=2020年1月4日、西宮市内
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 2022年も残りわずか。29日からは年末年始を古里などで過ごす人の帰省ラッシュが本格化する見通しで、関西の高速道路では、新型コロナウイルス流行前の19~20年と同程度の渋滞が予想されている。東西の物流が集まる兵庫県は、全国的にも渋滞の長さが目立つ“魔のスポット”がいくつか存在する。高速道路会社に混みやすい理由や回避策を聞いた。

 高速道路各社は12月29、30日に下り、1月2、3日に上りで特に混雑するとみる。阪神高速は2、3日に神戸線月見山インターチェンジ(IC、神戸市須磨区)-深江IC(同市東灘区)の上りで最大20キロの渋滞を予測。下りは、12月30日と1月2日に西宮IC(西宮市)-柳原IC(神戸市兵庫区)で16キロと見込む。

 西日本高速は2、3日に中国自動車道神戸三田IC(同市北区)-宝塚IC(宝塚市)の上りで15キロと予測。通過に通常の5倍以上、約1時間かかるとする。

 ■ワースト1、2位は阪高神戸線 湾岸線からの乗り継ぎ殺到

 これらの区間の渋滞は今に始まったことではない。国土交通省が算出した「渋滞損失時間」のランキングによると、直近の19年分で、前年に続き都市高速部門のワースト1、2位は阪神高速神戸線だった。いずれも西宮ジャンクション(JCT)と第二神明接続部の月見山ICの間の24・9キロ区間で、下りの損失時間が年間計291・9万時間、上りが同252・9万時間。3位の首都高速湾岸線西行き(168・2万時間)を大きく上回った。

 渋滞の起点になりやすいのが下りは京橋IC、上りは摩耶IC。阪神高速によると、いずれも大阪の南港につながる「湾岸線」と乗り継ぐ車が多いのが一因という。京橋は元々、三宮の市街地に近く乗降が集中しやすい。摩耶ICについて、50代のベテランタクシードライバーは「出口のすぐ先に信号があり、信号待ちの車列が高速本線にまでかかりやすい」と指摘する。

 ■宝塚トンネル、手前のへこみ「サグ」がブレーキ要因に

 阪神高速神戸線に引けを取らないのが中国道の宝塚トンネルだ。22年1月2日には上りの宝塚西トンネル付近を先頭に32・1キロの渋滞が発生。コロナ下でも渋滞がなくならなかった。

 原因の一つが、トンネル手前の「サグ」。サグとは下り坂から上り坂に転じるへこみ部分を指す。ドライバーが無意識に減速しやすく、車間を維持しようと後続車が次々ブレーキを踏むことで渋滞が生じやすい。

 西日本高速によると、工事と事故を除く「交通集中渋滞」の発生要因別で、最多の約6割をサグが占める。次に多いのが「トンネルの入り口」(約2割)で、暗さや圧迫感から車が一時的に減速して後続に影響しがちといい、宝塚トンネルはこの二つを兼ね備える。

 ■「時間帯ずらして」「阪高は北神戸線活用を」

 一方、年末年始も終日混むわけではなく、各社は「ホームページなどの渋滞予測を参考にピークをずらして利用を」と呼びかける。

 例えば22年1月2日の阪神高速下りの実績を見ると、西宮ICを午前11時に出発すると京橋ICまで53分要したのに対し、朝8時までか夜6時以降なら平時と同程度の14分だったとのデータが残る。同社は、上下線とも渋滞の一部を回避できる北神戸線の活用も勧める。

 また、渋滞損失時間について国交省は現在、全国の高速道路や国道、主要地方道路から知りたい路線、区間を自由に選んで確認できるマップをホームページで公開しており、20年以降はランキング形式ではまとめていない。対象は5千区間以上で、無料で閲覧できる。ファイル名は「平成27年度全国道路・街路交通情勢調査 一般交通量調査結果(可視化ツール)」

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