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ペルーに防災を伝える事業に向け、思いを描く(左から)大城ロクサナさん、ジェラルドさん、日比野純一さん=神戸市長田区海運町3、たかとりコミュニティセンター
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ペルーに防災を伝える事業に向け、思いを描く(左から)大城ロクサナさん、ジェラルドさん、日比野純一さん=神戸市長田区海運町3、たかとりコミュニティセンター
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 阪神・淡路大震災をきっかけに発足し、多文化共生に向けた情報発信を続けるNPO法人「エフエムわいわい」(神戸市長田区)が近く、南米ペルーで防災教育や自主防災組織の活性化に取り組む。震災を経験した日系ペルー人らが現地に滞在し、5年計画で住民の減災意識向上を支援。神戸で育まれた「BOSAI」が海を渡る。

 同法人は、震災直後に生まれた二つのミニFM局が原点。多言語で災害や生活情報の放送を続け、現在はインターネットによる番組発信を行う。

 支援のきっかけは2019年、ペルーに住む元教師カルロス・ドナイレさんから届いた「防災を教えてほしい」というメッセージだった。スペイン語番組を担当する神戸在住の日系ペルー人、大城ロクサナさん=同法人理事=宛てに何度も寄せられた。

 ドナイレさんは、ペルーの首都リマ近郊にあるカヤオ特別郡ミ・ペルー区で自主防災組織を運営する。ペルーは日本と並ぶ地震頻発国。1970年に5万人以上が犠牲になったペルー大地震が発生するなどしているが、住民の備えの意識は低く、番組を知って悩みを相談したという。

 その後、オンラインで対面し、「本気度が分かった」と大城さん。同法人理事で、インドネシアで防災支援の経験がある日比野純一さん(60)と相談。政府開発援助(ODA)の枠組みを使う国際協力機構(JICA)の「草の根技術協力事業」に申請し、採択された。近く同法人とJICAが正式に契約し、現地の政治情勢を見極め、早ければ2月に渡航する。

     ◇

 ミ・ペルー区での防災支援で中心的な役割を担うのは、大城さんと長男セグラ・アジペ・ジェラルド・フランコさん(28)親子ら。約1700人が通う学校で、神戸から向かう専門家とともに防災教育を行う。住民が地域に情報を伝えられるメディアを開設し、スピーカー搭載のドローンを使った避難訓練をすることも計画。災害時に命を守る行動が取れるようにする。

 大城さんは夫と91年に来日。ジェラルドさんをリマで里帰り出産し、戻った直後に震災に遭った。神戸市須磨区の自宅で「山が落ちてくるような揺れ」に襲われ、日本語が分からず情報不足の中で津波が来るのではないかと不安に陥った。

 その体験を原点に、日本に住むスペイン語圏の外国人らを支える活動を展開。「ミ・ペルー区からペルー全土に防災を広げたい」と意気込む。

 そんな母親の姿を間近で見てきたジェラルドさん。震災当時はペルーにいたが、進学した須磨区の小中高校では、防災訓練や震災学習を数多く経験した。「勉強するうちに防災を意識するようになった。神戸で学んだことを現地で生かせるのが楽しみ」と、プロジェクト開始を心待ちにする。

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