重大少年事件の記録が各地で廃棄されていた問題で、最高裁は17日、1997年に起きた神戸連続児童殺傷事件で次男の土師淳君=当時(11)=を亡くした父の守さん(66)から、2月14日に意見を聞くと発表した。また記録保存の在り方を検討するため、土師さんのほか、意見聴取する専門家4人の人選も明らかにした。
この問題では昨年10月、連続児童殺傷事件の全記録廃棄が判明。土師さんは、最高裁が設けた有識者委員会(座長・梶木寿元広島高検検事長)に、意見を直接聞くように求めていた。
最高裁によると、今月23日に開く有識者委第4回会合には、「社会一般」の立場で奥山俊宏・上智大教授(メディア論)が出席。2月14日の第5回会合には「少年事件被害者」として土師守さん▽「民事事件の当事者や代理人」で瀬戸一哉弁護士(埼玉弁護士会所属)▽「少年事件の付添人」で金矢拓弁護士(第二東京弁護士会所属)-が意見を述べる。
同16日の第6回会合は「保存された記録を調査・研究などに活用する人」として、憲法学者の宍戸常寿・東京大教授が話す。
最高裁は、重大少年事件や民事裁判の記録約100件について、廃棄や保存の経緯などを調査し、4月をめどに報告書をまとめるとしている。
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