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薬湯(右)を修理して漢方風呂を復活させようとクラウドファンディングに挑戦している大将の黒木達也さん、女将の久美子さん=尼崎市杭瀬本町1
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薬湯(右)を修理して漢方風呂を復活させようとクラウドファンディングに挑戦している大将の黒木達也さん、女将の久美子さん=尼崎市杭瀬本町1
創業当時から残るという唐破風(からはふ)屋根=尼崎市杭瀬本町1
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創業当時から残るという唐破風(からはふ)屋根=尼崎市杭瀬本町1
第一敷島湯をPRするトートバッグやタオルなどのオリジナルグッズ=尼崎市杭瀬本町1
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第一敷島湯をPRするトートバッグやタオルなどのオリジナルグッズ=尼崎市杭瀬本町1

 創業100年を超える銭湯「第一敷島湯」(兵庫県尼崎市杭瀬本町1)が、老朽化した薬湯の設備を修理し「漢方風呂」を復活させようとクラウドファンディング(CF)に挑戦している。今年に入り、大将の黒木達也さん(58)が病に倒れ、湯を沸かしたことがなかった女将の久美子さん(52)が急きょ対応。時短営業で経営は厳しいが「多くの人に知ってもらいファンを増やしたい」と話す。(中川 恵)

 1923(大正12)年に建てられ、戦後、達也さんの祖父が買い取って営業を始めた。重油代が高騰した15年ほど前から、廃木材を使って湯を沸かす。釜場の担当は達也さん。久美子さんは大女将の功子さん(89)と番台を担ってきた。

 薬湯は薬剤を入れて楽しむ。数年前から調子が良くなかったが、昨年末、ろ過器に空気が入るようになった。地中の配管に穴が開いており、休止せざるを得なくなった。

 悪いことは重なる。今年1月中旬、達也さんが下肢静脈瘤の手術を受けた。2月下旬には急性膵炎の疑いで緊急入院。「みんなに迷惑をかけ、体が動かないことが悔しく何十回と泣いた」と達也さん。入院後、久美子さんは「設備が古いので動かさないと故障する」という夫の言葉を思い出した。何とか湯を沸かして湯船に送ったが、ろ過装置の動かし方が分からない。達也さんからこつを聞き、パートの合間を縫って1日3時間だけ営業を始めた。達也さんは退院したが5時間までに抑えている。

 新型コロナウイルス禍に加え、今回の休業や時短で「やめるのでは」と客足が離れた一方、ドラマのロケ地などとして注目され、レトロ好きが集まるように。テーマソングやキャラクターを作って盛り上げてくれる人も現れた。

 CFは以前から考えていたが、久美子さんが「目標を達成できたら、必要とされていると実感できる」と実施を決めた。達也さんを励ます意味も込めた。支援金で薬湯を修理し、ファンを増やしたい考えだ。寄付はCFサイト「キャンプファイアー」で今月26日まで。

 午後5~10時(火曜定休)。第一敷島湯TEL06・6481・7120

阪神
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