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大胆な業態転換を提案した若おかみの上田裕美さん。「やれることは何でもやる」と、店を明るく盛り上げる=丹波市春日町国領
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大胆な業態転換を提案した若おかみの上田裕美さん。「やれることは何でもやる」と、店を明るく盛り上げる=丹波市春日町国領
国産のウナギは秘伝のたれをかけ、パリッ、フワッと焼き上げる(うなぎ辻判提供)
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国産のウナギは秘伝のたれをかけ、パリッ、フワッと焼き上げる(うなぎ辻判提供)
日本料理店からウナギ専門店へかじを切った(左から)上田隆さん、元志さん、祥子さん、裕美さん(うなぎ辻判提供)
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日本料理店からウナギ専門店へかじを切った(左から)上田隆さん、元志さん、祥子さん、裕美さん(うなぎ辻判提供)

 創業202年を迎える兵庫県丹波市春日町国領の日本料理店「割烹辻判(かっぽうつじはん)」が今夏、ウナギ料理専門店「うなぎ辻判」に生まれ変わった。新型コロナウイルスの影響で苦境にあえぐ飲食業界。割烹辻判も売り上げは、コロナ禍前の9割減になった。「懐石やめるか、店やめるかやで」。若おかみの上田裕美さん(45)の提案に、業態転換で生き残りをかける。(真鍋 愛)

 割烹辻判は、地域の会合、歓送迎会や法事など、大人数での宴席や会席を主軸に置いていた。コロナ禍による自粛の影響をもろに受け、昨年度、裕美さんが着物を着て接客したのはわずか2回。オードブルやさばずしなどのテークアウト販売にも乗り出したが、おかみの祥子さん(69)によると「国の持続化給付金で生活する状態だった」。

 裕美さんは今春、家計を助けるため、丹波市市島町喜多の人気ハンバーガー店「市島製パン研究所」でアルバイトを始めた。しばらくたったころ、同店代表で、飲食店のプロデュースなども手掛ける三澤孝夫さんから「コロナの影響はどうや」と声をかけられた。

 裕美さんは三澤さんに苦悩をぶちまけた。経営難に加え、会社員の夫、隆(りゅう)さん(45)が店を継げるのかという悩み。「店を閉めた方がいいのかな」とつぶやいた裕美さんを、三澤さんは「200年以上続く店は丹波市にそうない。そんな店をつぶしたらあかん」と説得し、生き残りの策を考えることになった。

 個室で楽しめ、丹波地域にあまりない業態に-。三澤さんのアドバイスを受けた裕美さんの頭によぎったのが、懐石料理の締めに提供していたウナギの小丼。満腹のお客さんも「これは食べたなる」と、ぺろりと平らげる逸品だ。市内にウナギ専門店はない。辻判には、継ぎ足しの秘伝のたれもあった。「これしかない」。

 裕美さんは、ウナギ店への転換を家族に切り出した。最初は「懐石をやめるんか」と困惑していた、5代目の元志さん(74)も腹をくくった。隆さんは、元志さんとともに炭焼き台で修業に励む傍ら、店の改装などもこなし、正式に6代目となった。

 ウナギは、宮崎県産の備長炭で「パリッ、フワッ」にこだわって焼き上げた。それを秘伝の甘辛いたれに絡めて地元産コシヒカリにのせ、うな重やひつまぶしとして提供する。

 オープンから約1カ月。客からは「こんなおいしいのは初めて」と好評だ。28日は、書き入れ時の土用の丑(うし)の日。裕美さんは「丹波はもちろん、関西圏の方にも備長炭で焼いたウナギを食べてほしい」と話す。

 うな重1尾4400円、ひつまぶし4290円、持ち帰りの「うな玉弁当」1尾4320円など。月曜定休。2日前までの予約が必要。28日は持ち帰りのみ。同店TEL0795・75・0029

■辻判 辻判がある国領地区はかつて、同県丹波篠山市の追入地区に抜ける「瓶割(かめわり)峠」麓の宿場町として栄えていた。店は、江戸時代後期の1819年、料亭旅館として創業。国領の中心地域の「つじ」にあり、初代の名前が「判次郎」だったことから、辻判と名付けられた。

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