安全の行方 ー巨大鉄道会社の半年
国の列車運転適性検査は約五十年前に定められた。石炭を炉に放り込み煙を噴いて走る蒸気機関車から、ハイテク機器が駆使された電車へ。乗り物は大きく様変わりしたが、適性検査の大枠はそのままだった。
年に二回の身体チェックに加え、三年に一度の精神機能検査。クレペリン検査と呼ばれ、休憩を挟みながら簡単な足し算を繰り返すことで、作業の早さや正確さ、疲労回復力、感情の制御力などをみる。約四千人の運転士がいるＪＲ西日本の場合、不適格となるのは「毎回数人」程度という。
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