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埼玉県深谷市に店舗を構える中古車店「イーカーズ深谷店」。こちらのお店、現地には「ネコ飼ってます」の巨大看板が堂々と聳え立ち、SNSには「中古車屋さんというより猫カフェかもしれません」と記載されているなど、少し変わった様子です。

2019年11月に創業したという同店は、従業員7人に加え、なんと従業猫5匹が営む猫パラダイス。ピピ、ララ、ポポ、ココ、ネネちゃんはみんな保護猫だそうで、このかわいらしい猫ちゃんたちを見るために来店する人も多いんだとか。詳しいお話を、店長の浅見さんに訊きました。

■「これは神様がくださった良縁だと思った」

「はじまりは確か、店舗の近くにピピが迷い込んで来ました」と話す浅見さん、2020年5月頃の出来事だと言います。「ニャーニャーうるさく、近くに猫が迷子になってるなというのがすぐにわかりました。探してみると、店舗の裏にやや痩せたハチワレ猫が！ …今の立派なわがままボデーと魅惑的な二重あごからは想像できませんが（笑）」。

もともと猫好きで、過去には最大20匹くらいの猫を保護していたこともあるという浅見さん。「溢れ出る猫好きオーラをピピが感じ取って、私のところに来てくれたのかもしれません。翌日に保健所や迷子猫なども問い合わせしてみましたが、特徴が似た猫の該当がなかったため、これは神様がくださった良縁だと思い、店舗で保護することにしました」と経緯を教えてくれました。

猫ちゃんたちと浅見さんの出会いはまだまだ続きます。「ピピを保護した数ヶ月後、店舗の近くに割と広いヤード（空地のような場所）があり、在庫を一部をそこに保管しているのですが、そこに弱った小さな小さな子猫がいたんです。それがララです」。発見当時のララちゃんは立てないくらい弱っており、急いで保護したそうです。

そんなララちゃんが後日に脱走、探しているときに見つけたのがポポちゃんだと言います。「成猫の野良猫でしたので、保護するのはどうかと悩みましたが、我々人間が悩むまでもなくポポ様が保護されたいかのように我々についてきてしまって…」。ポポちゃんも浅見さんの猫好き感を感じ取ったのでしょうか。

そして次のココちゃんは、初めての女の子。「お宅の子猫が家に迷い込んで来ている」という勘違い電話からはじまった出会いで、はじめは断ろうと思っていたそうですが…「玄関から抱っこされたココが出てきた瞬間、あまりに可愛すぎて。ココを見た瞬間に、『うちの猫では無いです』の言葉がどこか遠くの彼方に消えてしまって…」と、こうして4匹目の仲間が加わりました。

5匹目のネネちゃんが保護されたのはつい最近、8月末のことでした。この日、従業員から「瀕死の子猫を保護している」と電話があり、ネネちゃんと出会ったそうです。「夕方頃にかなり暗い口調で、『ちょっと相談いいですか…？』と話し始めたので、てっきりお金のこととか仕事辞めるとか、そんな嫌な感じの話かと思ったのですが…（笑）。保護先がなく、殺処分になるかもしれない聞いて、小さな命を放っておくことができず二つ返事ですぐに引き取ることにしました」。

■「ピピってヤツが可愛くてふてぶてしくて…」

こうして天使のようにかわいらしい5匹の保護猫たちを迎えた同店。インパクト大な看板については、「創業当時は全く違う看板でもっと小さいサイズでしたが、ピピを保護してからあまりにもピピってヤツが可愛くてふてぶてしくて…まさに看板ネコにふさわしい立派なわがままボディと、全ての人を幸せする魅惑的な二重あご！ 当店に来店されたことが無い人にも、ただ通り過ぎただけの人にも、当店自慢のピピ様の可愛さを伝えたくて、ついつい巨大看板を作ってしまいました！」と話します。

通常、猫たちは営業時間中はずっと店舗で過ごしているそう。寝たり、じゃれ合ったり、ご飯食べたり、うんちしたり、お客様が来店されたら接客してくれたり、従業員のパソコン前に陣取って全力で邪魔したり…自由気ままに遊んでいるようです。

「車を買う買わないは別として、是非当店に遊びに来て頂けましたらと思います。欲しい車があれば車を試乗するついでに当店自慢の猫ちゃん達をナデナデして頂ければと思いますし、車には興味が無い方や乗り換えなどの予定が無い方でも、猫ちゃんを見てナデナデするだけでもいいので遊びに来てやって下さい」と浅見さんは話します。

また、同店のSNSでは、猫ちゃんたちのかわいらしい日常の様子がたくさん投稿されています。遠方で直接お目にかかるのは難しい…という方は、こちらをぜひみてみてくださいね。

（まいどなニュース特約・あさい あやね）