写真を一見すると、特に変哲のない円銀に見えるが…/投稿主さん提供
写真を一見すると、特に変哲のない円銀に見えるが…/投稿主さん提供

大阪の催事で見つけた「訳あり品」の円銀(明治時代から大正時代にかけて発行された「一円銀貨」)が、購入後に「取り出せない」ことが判明-。貨幣マニアによる嘆きがXに投稿されると、「熱で溶かしてギリギリのところで救いたい…!」「冷凍庫で冷やしてから叩けば割れるかな?」など様々な角度から取り出し方をアドバイスする声が集まり、7000件を超える“いいね”が寄せられました。

投稿したのは、貨幣収集家のsakanaさん(@loach1128)。sakanaさんは現行貨幣・近代貨幣(日本・旧傀儡・中国・韓国)を中心に収集する愛好家で、貨幣系YouTubeチャンネル「sakanaのコイン収集チャンネル」も運営しています。

ある日、大阪の催事場で「訳あり品」とラベルの貼られた円銀を見かけたというsakanaさん。「なんだ、この円銀…?でも状態はかなりいいな」と思ったと振り返ります。

なぜ「訳あり品」のラベルが貼られていたのか-。実はこの円銀、透明度の高いアクリル(樹脂)の塊の中に封じ込められているのです。写真を見る限りでは、とてもアクリルの中にある状態で撮影されたとは思えないほどの綺麗さですが、いったんこのような状態になってしまうと取り出すことは難しいのだとか…。

「円銀は、微細なキズひとつでグレードが下がってしまう繊細なコインです。MS63(70点満点で古銭の評価を表すグレード)であれば5万円、MS64であれば9万円、ほとんど出回らないですがMS65がつけば30万円ほどの価値になります」

sakanaさんによると、この円銀はMS63~64を狙えるほどの好状態。とはいえ、鑑定ケースに収めることも、手で触れることも叶わない-。他のコレクターに聞いても、円銀がペーパーウェイトのような状態になっているケースは聞いたことがないといいます。なぜこのような状態で保管されていたのか、sakanaさんは2つの可能性を推察します。

「当時はコインをきれいに保つ保管方法が少なく、アクリルに入れて状態を保ったのかもしれません。あるいは、純粋に円銀とペーパーウェイトをあわせてみたいと思った人がやったのかもしれませんね」

投稿には「割っちゃえ!」「ぶっ壊せば取れるんじゃね?俺ならそうする」といった大胆な意見も多く届きました。sakanaさん自身もアクリルを割ることを「結構真剣に悩みました」と明かしますが、リスクを考慮した末、アクリルごとそのまま飾ることに決めたそう。

そんなsakanaさんは、貨幣収集の魅力について「収集活動によって仲間ができたり、目標に掲げていたコインが手に入ったときに達成感を得られたり、たくさんの楽しいイベントが発生すること」だと語るのでした。