サブカルの吸引力 アジア 熱風還流
日本のファッションや音楽、食、さらにはライフスタイルなど「文化」の輸出を目指す官民の動きをアジア各地で取材した。現地で実感したのは、やはりというべきか、日本のアニメや漫画の吸引力のすごさ。アイドルも健闘していた。
12月上旬の週末。AKB48のグッズ店に人だかりができていた。手にはメンバーの写真ホルダー。互いのコレクションを熱心にチェックし、合意に至ればその場で交換‐。台湾・台北市での光景だ。
日本のポップカルチャーを好む若者を総称した「哈日族(ハーリーズー)」という言葉が生まれるほど台湾での日本人気は高い。今月7日に日本企業が台北で開いたファッションショーには元AKB48の板野友美さんらが登場し、若者らが熱狂した。
タイ・バンコク。書店に日本の漫画がずらりと並び、街頭イベントで見覚えのあるキャラクターの着ぐるみが愛きょうを振りまく。カレーやラーメンのチェーン店があちこちにあり、異国にいることを忘れそうになる。
ところが若者向けの日本ファッションは、値段の高さもあって苦戦していた。ユニクロ以外はほとんど知られていない。現地経済紙の記者を長く務めたタイ在住の日本人男性(43)は「アジアで受け入れられるには質の良さだけでなく、ユニクロ並みの積極展開が不可欠」とみる。
「兄の影響で『ドラゴンボール』などの漫画を読んで育った。(韓国の)K‐POPが席巻する前はジャニーズの人気も高かったんですよ」とタイ人通訳の女性コイさん(31)は話した。ポップカルチャーを通して育まれた日本への親近感。文化の輸出拡大には、日本からの発信方法にさらなる工夫が必要なのかもしれない。
アジア取材班 写真・岡本好太郎
三浦 拓也
吉田 敦史
記事・黒川 裕生















