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ロボットと生きる

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 少子高齢化や人口減を背景に仕事の現場ではロボットの導入が加速度的に進んでいる。日本は産業用ロボ大国で、その場は主に自動車工場だった。だが人手不足に悩むさまざまな分野でもロボット版“働き方改革”が広がっている。

 「公園で運動会やってるよ。見に行こうか」。新生児大のロボットが90代の高齢女性に抱っこされ話しかけた。尼崎市内の特別養護老人ホーム「ゆめパラティース」のフロア。女性は満面の笑みを浮かべた。

 ロボはアンドロイド研究で知られる大阪大の石黒浩教授が開発。接する人が自分のイメージを膨らませやすいよう目や口の造形は最低限にとどめている。高齢者の心のケアを図るため、離れた場にいる人が操作し内蔵マイクで会話する。

 同ホームでは今春に一体を初導入。利用者の表情が明るくなるなど効果が出ているという。介護人材が不足する中、職員のコミュニケーション向上にも役立つことからロボットを増やす予定だ。

 モバイルパソコンを製造するパナソニックの工場(神戸市西区)では人に交じり2台の人型ロボが黙々と働く。ここでも増やす方針で担当者は「安定的に高品質な製品を供給し続けるには欠かせなくなる」と話す。

 総務省調査では15~64歳の生産年齢人口は約20年前から減り続けている。今後も回復が見込めない中、ネット市場の拡大で荷物が急増する物流業界では搬送ロボなどの導入が活発化、林業など体の負担が大きい現場では人とロボが一体となった「アシストスーツ」の開発も進む。

 成長の維持に不可欠な存在となる一方、一部の識者らの間ではロボットが急速に進化し、将来は人の仕事を奪うのではとの声が上がりつつある。勤勉な“隣人”に頼りつつ、いかに使いこなしていくかが、人間側に問われていきそうだ。

(映像写真部 中西大二)

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