フォトノオト

写真(フォト)と音がテーマの新連載。県内各地の、音が印象的な風景を訪ねます。

攻める選手が投球動作に入る。体育館の床にこすれる靴底。弾むゴムボール。かすかな鈴の音がその軌道を知らせる。

西日が差す工房に、金づちの軽やかな音がリズムを刻む。若きそろばん職人、高山辰則さん(44)=兵庫県小野市。

切り立った岩肌に、鋭い金属音がこだまする。高砂市の特産、竜山石(たつやまいし)を採掘する石切り場。

播磨灘を望む浜辺に香ばしいにおいが漂う。炭火であぶられているのは、冬の味覚の代表格、カキ。

六甲山上の原っぱに10個の巨石。ぽっかりと穴が開いていて、ハイカーらがそれぞれに頭を突っ込んでいる。

流線形のヘルメットにサングラス、ぴったりと体に合ったジャージー姿。前傾姿勢でロードバイクを駆る参加者。

夜の住宅街に鳴り渡る三線(さんしん)と太鼓の音色。そろいの衣装で大人や子どもが躍動する。

軽やかに響く白磁の音色と、川のせせらぎ。城下町に奏でる涼のハーモニーが、今年の記録的な猛暑も

朱塗りの塔の周りに連なった参拝者。居並ぶ88体の石仏に向かって鈴(りん)を鳴らす。

モーターのごう音が水面で交錯する。勝負どころのターンマーク付近。レーサーたちは遠心力に耐えな

暗くひんやりとした坑道に、青年の姿が浮かび上がる。「あ、栄作や」「結構イケメンやん」。

足元でディーゼル機関がうなりを上げる。車掌のいないワンマン車。警笛の軽やかな音を春風に乗せて、田園地帯を走る。

がれきが散乱した広場。息を弾ませ、ラブラドルレトリバー雄のJ(ジェイ)が素早く行き来する。

店内にひしめく浴衣姿の人たち。狙うは、棚に並ぶ高さ10センチほどの人形。はじけるような音とと

約1300度に熱せられた鋼。割れんばかりの勢いで機械式ハンマーがたたきつけられる。

舟形のシャットルを滑らせ、縦糸の間に横糸を通す。カタンカタンと木製の織機が揺れる。

万力で挟んだ木材に、職人が小型のかんなを走らせる。刃が曲面を滑るたび、薄く細い削りくずが音もなく舞い落ちる。

足を組み、半眼で黙想する。傍らに立つ住職は、わずかな姿勢の乱れも見逃さない。

4メートルの高さから、真下へ体を投げ出す。ボードの車輪がうなりを上げる。U字形の急カーブを一

幽谷へ踏み入る。とどろく水の音に耳が吸い寄せられる。崖に、三筋の白糸が垂れている。

小さな指先から駒が放たれ、盤を軽やかにはじく。攻めの一手か、形勢逆転か。学校の休み時間のよう

深いしわを刻んだ指が、2段の鍵盤の上を弾む。ジャズの定番曲「ザッツ・ア・プレンティ」が詩情豊かに流れだす。

足元で、渓流がしぶきを上げている。新緑に覆われた山肌がまぶしい。爽やかな風と共に、鳥のさえずりが谷を渡っていく。

海を揺らすような重低音がこだまする。5秒以上続く3度の汽笛。「長音三声」と呼ばれる、見送る人

「バリ、バリッ」。山林に乾いた音が響く。白い息を吐きながら、大野浩二さん(51)が黙々と木の皮を剝いでいく。

「色白になったねえ。ええ出来や」。防寒着姿の女性が、勢いよく糸を振った。すだれのように連なっ

舞台に雪が降り、三味線の音色はいっそう哀感を増す。「ハアー悲しや…」。太夫の節回しに合わせて、袖で涙を拭うお七。

かつて廃絶の危機にひんした木綿織りじゅうたん「赤穂緞通(だんつう)」。独特の風合いと手触りは

夜。誘導灯が輝く滑走路で、巨大な機体がうなりを上げ、離陸を始める。エンジン、出力全開。


「ヤーァ、エー」「サァー」。掛け声に合わせて、「太鼓」と呼ばれる男たちが軽やかに舞う。

夏の夜空に光の粒が躍る。雷のようなさく裂音が続き、火花のはじける音も重なる。

待ちに待った休み時間。木のぬくもりが感じられる教室に、児童の歓声が飛び交う。

深緑の山に、甲高く、強い鳴き声がこだましていた。おんどりが真っ赤なとさかを揺らして動き回る。

足の真下45メートル。急流がぶつかり、うねり、百雷のごとくごう音を響かせる。

「フォルツァ(がんばれ)神戸!」。肩を組み、大声援を送る、サッカーJ1ヴィッセル神戸のサポーター。