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支援縮小 私たちはまだ住んでいる
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 仮設住宅の供用期間が三月末に期限切れを迎える。これに伴い、住民の交流の場となってきた「ふれあいセンター」の補助金拠出や地域型仮設の生活支援員(LSA)の常駐人数の縮小化など、支援体制にも変化が現れる。しかし「せめて住民がいる間は、センターを閉じたくない」と望む仮設もある。それぞれの今後をみる。(青山真由美、中部剛、勝沼直子)

ふれあいセンター

 管理運営費は、県(四分の一)、市(同)、阪神淡路大震災復興基金(二分の一)の三者が負担する。神戸市や西宮市は、新年度の予算をつけたが、県は予算化を見送り、すでに加古川、姫路、高砂のセンター閉鎖を決めている。

 神戸市は、今後もセンターの開設を希望する仮設を調査中だ。西宮市は十二カ所のうち二カ所の閉鎖を決めているが、その他の仮設は県と協議中。県は「これまでの活用状況などを調べ、個別対応するか決めたい」とする。

 三月末で十世帯に減少する神戸市東灘区の御旅仮設は、今年度でセンター閉鎖を決めた。山本恒雄センター運営委員長は「週三回開けても、ほとんど住民は来ない。これ以上開けていると防犯上も心配」と言う。

 一方、建設戸数千戸を超え、被災地最大の神戸市西区、西神第七仮設住宅。現在は百三十世帯ほどになり、部分的に撤去作業が進むが、自治会長の野口守さん(70)は「センターは六月末まで続ける」という。自治会事務所はセンター内にあり、自治会も解散しないつもりだ。

 行政との話し合いはまだだが「運営費が出なければ自治会費を回してでも」と継続を決めている。

ふれあい喫茶ほか

 加古川市の東加古川仮設住宅(三十二世帯、七十一人)のふれあいセンターで、週に一度開いていた「茶話会」も三月末で終わる。

 毎回約十人のお年寄りが楽しみにしており、近くの恒久住宅に移った人も「友達がいなくて」とやって来る。茶話会は、震災後に地域のコープこうべ組合員が結成した「ほのぼの」(リーダー・有竹照枝さん、十二人)とコーヒーショップを辞めた大上宏光さん(65)が協力して続けてきた。会の間に、住民の戸別訪問のほか、軽い体操や健康相談などのケアもしてきた。

 有竹さんは「最後の一人までと思っていたが、センターが閉鎖になるので仕方ない。四月は戸別訪問を続けるが、その先は一応区切りにしたい」と話す。

 兵庫県立健康センター(神戸市東灘区)が県内と大阪の仮設を巡回し、ふれあいセンターで開いていた気功体操や食生活指導も、三月末で終わる。

生活支援員

 神戸市は、市内二十一カ所の高齢、障害者用の地域型仮設住宅に常駐している二十二人の生活支援員を四月一日から減員する。これまで五十世帯に一人の割合で配置されていたが、三月末以降は住民の減少が進むためだ。同市は「最後までお世話させてもらうが、効率よく支援するため二カ所の仮設を一人で見るなど変則的な対応を考えたい」とする。

 また、兵庫県勤労福祉協会「被災地しごと」開発事業による仮設住宅の空き家点検は撤去の状況を見ながら縮小。防犯にも役立っていたため、「続けてほしい」という声が上がっている。

神戸市の入居契約世帯の状況(2月末現在)
入居契約世帯4307世帯 -
【公営住宅入居待ち】3,302世帯76.7%
【公営住宅未決定】149世帯3.4%
【自宅再建・民間賃貸など】856世帯19.9%

1999/3/17
 

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