復興市街地再開発事業は、被災地の六地区のうち、西宮、宝塚市内の四地区で事業を完了。残る神戸市内の二地区のうち、神戸市灘区の六甲道駅南はビル十四棟すべてが完成、公園や道路も今年秋に整備が終わる予定だが、神戸市長田区の新長田駅南では約40棟の計画で完成は半分の20棟にとどまる。
新長田駅南は全国最大級の規模だけに、事業計画が決まっても、住宅や店舗区画の需要が十分望めず、まだ着工に至っていない工区も多い。高層ビルを中層にするなど事業計画を変更したケースも。神戸市は、未着工の空き地について暫定利用も検討している。
一方、出店した店主らにも、不況や競合で苦闘する状況が目立つ。新長田駅南では、すでにオープンしたビルも現在、一割以上が空き店舗に。兵庫県は、被災者を支援する復興基金の残額を活用、新規出店者への家賃補助を続けるほか、二〇〇五年度からは公益事業を行う地域団体などの入居に活動資金を補助する。
メモ
市街地再開発事業
自治体などの施行者が計画地区内の土地所有者らから土地の提供を受け、高度利用してビルを建設する。事業には1種と2種があり、復興再開発を含む2種は、施行者が土地などを買い取り、入居希望者に売り渡す形となる。それ以外の保留床も売却し、建設資金に充てる。復興再開発は通常の事業より国の補助率が高い。