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「運転士になりたい」入社1年で夢かなう JR東海の保線担当、北条鉄道に転職

2021/07/02 05:30

 「運転士になりたい」とJR東海から北条鉄道に転職した多田直紀さん(23)が1日、念願の初乗務に臨んだ。出発前には兵庫県加西市北条町北条の同鉄道北条町駅でセレモニーが開かれ、先輩運転士や社員、友人らから祝福や激励を受け、安全運行を誓っていた。

 多田さんは岩手県遠野市出身で、高専を経てJR東海に、保線業務の担当として入社した。ただ、鉄道で働くうちに、幼いころから抱いていた「運転士になりたい」との思いが強まり、転職を決意。「ローカル線で運転したい」と北条鉄道を選んだ。

 入社は昨年5月。駅で勤務をしながら勉強し、今年3月に筆記試験に合格。運転の訓練も重ね、6月9日、動力車操縦者の試験に合格を果たした。「目隠ししたままスピードを調整し、体感で速度が分かるようにするのが大変だった」と振り返る。

 セレモニーでは、同社社長の西村和平市長が辞令や免許証を手渡し、「入社1年で運転士になるのは異例だが、本人の強い思いや努力で夢を実現させた」と激励。多田さんは「まず安全が第一。安心して終点までぐっすり眠って乗ってもらえるような運転を心がけたい」と話していた。(小日向務)

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