有機農業に取り組む兵庫県多可町の岡野圭佑さん(60)、美代子さん(50)夫婦が、全国の農家を対象にした野菜の「栄養価コンテスト」(事務局・日本有機農業普及協会)で白菜部門の最優秀賞に輝いた。食味に加え、豊富な栄養価が高く評価された。毎週、神戸で野菜を販売する岡野さんは「栽培した白菜がおいしく、体に良いとデータで裏付けられた。受賞を聞いた瞬間、夫婦でハイタッチした」と喜ぶ。
岡野さんは有機JAS(日本農林規格)認定農家。計約130アールの農地で和野菜を中心に水稲やイタリア野菜など年間約60種を栽培し、「チヨちゃんの野菜」として販売している。
毎週月曜、神戸阪急(神戸市中央区)新館5階の「ひょうごふるさと館」で店頭に立つほか、神戸、芦屋市でも街頭で移動販売を続けてきた。
同コンテストの結果は、徳島県で2月にあったイベント「オーガニック・エコフェスタ」で発表された。出品した白菜は、老化を防ぐとされる抗酸化力や糖度、摂取しすぎると体に悪い硝酸イオンの含量などの項目で高水準の数値を示し、全7検体の中から選ばれた。
今回の白菜は、手間がかかる「種取り」した種から栽培。畑は、手刈りした雑草を蒸して土に返すなどして土壌改良に取り組んだ。
圭佑さんは「手塩にかけて育てた白菜が評価されてうれしい。安全・安心な野菜を多くの人においしく食べてもらいたい」と話す。
ほかに、同コンテストの兵庫県関連では、スイートコーン部門で仲野隆行さん(南あわじ市)が最優秀賞を受けた。(辰巳直之)









