舌戦も終盤に差し掛かりつつある衆院選。兵庫9区(明石、洲本、南あわじ、淡路市)の候補者が2日の公示以降、淡路入りする機会は多くなく、各政党幹部や閣僚の来援も今のところゼロだ。「やや盛り上がりに欠ける」との指摘もある中、各陣営は限られた時間で、明石よりも有権者の少ない島の課題とも向き合い、支持拡大を目指す。(佐藤健介、上杉順子)
淡路島3市の有権者数は1日現在で約11万9千人。明石市はその2倍以上の24万人近くに上る。
共産新人の新町美千代氏(67)が公示後に島内入りするのは12日間の選挙期間で計4日となる見通し。応援弁士も市議や元県議で、「現職国会議員の数は限られている」と同氏陣営は説明する。9日には小池晃・党副委員長が応援で明石を訪れたが、淡路には足を延ばさなかった。
ただし淡路島の課題にも目を配っている。同氏は12日に島内最後の遊説を予定。環太平洋連携協定(TPP)交渉からの撤退や米価下落対策の推進などを訴え、第1次産業の盛んな土地柄でも浸透を図る。
「淡路に張り付いて選挙を戦うことはかなわない」。自民前職の西村康稔氏(52)は公示日の出陣式で複雑な胸の内を語った。内閣府副大臣の公務などで選挙区を空けることも。7日には祖母の出身地の淡路市岩屋地区を歩き、島とのゆかりをPRしたが、その後の来島は未定だ。
党幹部や閣僚の来援を要請せず、自らは他候補の応援に奔走する。「若手を引っ張る立場だから」と同氏陣営。8日には参院議員が街頭演説で経済効果を島にも波及させる決意を訴えるなど、本人不在を補おうと懸命だ。