兵庫県知事選
7月1日告示 7月18日投開票
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前クレディ・スイス銀行プライベートバンク日本代表・平尾恒明氏
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前クレディ・スイス銀行プライベートバンク日本代表・平尾恒明氏

 20年ぶりにリーダーが交代する兵庫県知事選(7月1日告示、同18日投開票)は、県政史上初の自民分裂選挙になる可能性が高い。自民と維新が推薦を決めた前大阪府財政課長の斎藤元彦氏(43)と、自民から推薦を得られなかった前副知事の金沢和夫氏(64)がしのぎを削る展開が予想される。元県議の金田峰生氏(55)=共産推薦=と元加西市長の中川暢三氏(65)も立候補を表明しており、激戦を支える議員や首長、支援団体のトップらに現状認識や勝敗を分けるポイントなどを聞いた。

■優れた経営感覚で財政改善

 -立候補を表明した元加西市長の中川暢三氏(65)の後援会長に就いた。

 「7年ほど前、社会貢献活動に取り組む財団の月例会で中川さんが政治について講演し、知り合った。彼は『私に投票しろ』とは言わない。『選挙に行こう』と訴える。政治に無関心でいるリスクや政策を比較して選ぶこと、投票した政治家の公約をチェックして次の選挙に反映させることなどを熱弁し、感心した」

 「会社員でいる間は支援できなかったが、この春に退職した。知事選に立候補すると聞き、手伝うことがないかと声をかけたら後援会長を頼まれた。彼は数々の首長選に立候補し、選挙マニアと思われているが、政治を変えたいという純粋な思いを持っている。政治家は何人も知っているが、彼のような人はいない」

 -中川氏が知事になれば県政を変えられるか。

 「それは分からない。中川さんより優れた政策を出す人がいれば、その人がトップに立てばいい。ただ、金融界にいた立場から見れば、県は膨大な借金を抱えている。にもかかわらず、県も議会も国から財源を引き出すことや、新たな借金でやりくりすることばかり言っている」

 「今は低金利で資金調達できるが、子どもたちの代に返済する時、同じように低金利で借り換えできるとは限らない。必要なのは企業の力を伸ばして税収を増やすことで、中川さんはこうした経営感覚を持つ」

 -今回の選挙戦の構図をどう見る。

 「井戸敏三知事の県政を継承するだけでは、危機的な財政など何も変わらない。若い方が出てきたが、自民党内の争いに維新が相乗りしたように見える。それぞれが政策を掲げ、違いを鮮明にしなくてはいけない」(聞き手・古根川淳也、撮影・吉田敦史)

【ひらお・つねあき】1985年、米・シティバンク入社。スイスの大手銀行UBSを経て、2021年3月末まで富裕層の個人資産を運用するクレディ・スイス銀行のプライベートバンク部門で日本代表を務めた。61歳。

 =おわり=

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