1997年に神戸市須磨区で起きた連続児童殺傷事件で、小学6年の土師淳君=当時(11)=が亡くなってから24日で丸24年となるのに合わせ、父親の守さん(65)が取材に応じた。淳君への思いを胸に犯罪被害者の支援拡充に奔走した日々を振り返り、「環境は大きく改善された」と語る。一方で「なぜ息子が命を奪われたのか」という問いは、答えが見つからないままだ。(那谷享平)
心に浮かぶ淳君はいつも11歳の姿。純真で優しく、家族思いだった。月命日ごとに菩提寺の住職に自宅に来てもらうのはおととしを最後にし、日常生活の中で淳君を悼むようになった。それでも「子どもへの思いはどれほど時間がたっても変わらない。今後も変わることはない」。
月日がたち家族以外の人たちの記憶が薄れていくのは仕方ないとは思う。ただ教訓は次の世代に引き継いでほしいという。事件の残忍さや特殊性より、「(自分たちが)被害者問題に関わっていった歴史を含めて記憶に残してもらえたら」と願う。
守さんは2000年に発足し、18年に解散した「全国犯罪被害者の会(あすの会)」で副代表幹事を務めた。同会の活動などにより、犯罪被害者等基本法の成立▽被害者の刑事裁判参加▽被害者らによる少年審判の傍聴▽重大犯罪の公訴時効廃止-などが実現した。
「新たに被害に遭った人が少しでも苦しまないよう活動してきた」。それが淳君のためにできることだと考えているという。
課題はまだ残る。例えば被害者らへの教育面での支援。24年前、事件のショックや報道が影響し、淳君の兄の長男が一時、登校できなくなった。家庭教師を雇って対応したが、負担は大きかった。同様のケースで苦しむ人は多いが、支援の仕組みは神戸など一部自治体に限られる。守さんは「国が対応を」と訴える。
事件を起こした18、19歳の厳罰化に向けて成立した改正少年法を「成人と同じ選挙権があるのに(18、19歳が)少年法の保護を受けるのは齟齬がある」と評価する。少年の更生に大切なのは「自分が犯した罪にどこまで向き合い、理解するか。形だけ謝るのではなく自覚することだ」と説く。
それは事件の加害男性(38)に向けられた言葉でもある。04年から毎年届いた男性からの手紙は17年を最後に途絶えた。「手紙を書くことは男性が事件に向き合う上で重要」と守さん。「なぜ命が奪われたのか知りたい。それはまだできていない」と話し、再び届けば、真実を知るためにいつかは読むと明かした。
【神戸連続児童殺傷事件】1997年2月以降、神戸市須磨区で小学生5人が襲われ、3月に小学4年の山下彩花ちゃん=当時(10)=が、5月には小学6年の土師淳君=同(11)=が殺害された。兵庫県警は6月、当時14歳だった中学3年の少年を殺人などの容疑で逮捕。少年は関東医療少年院に収容され、2005年に退院した。成人した加害男性は15年、遺族に無断で手記を出版した。
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