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生徒指導に関する学校、教職員向けの基本書として文部科学省がまとめた「生徒指導提要」から抜粋
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生徒指導に関する学校、教職員向けの基本書として文部科学省がまとめた「生徒指導提要」から抜粋
神戸新聞NEXT
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 子どもに不合理なルールを押しつける「ブラック校則」の見直しが全国各地で進む中、神戸市内の女子中学生から神戸新聞に一通の投書が届いた。「下着は白でないといけない」とする学校の“ルール”に納得がいかない、という。さらに同校は体育の授業で着替える際、先生が同席して注意するという。やり過ぎでは-。取材を進めるうち、時代にそぐわない指導方針に加え、校則の「役割」について、教師と生徒の考えがかみ合っていない実態が見えてきた。(鈴木久仁子)

 投書は「私は、なぜ下着が白じゃないといけないのかということについて疑問があります」と始まり、「体育の授業で着替える時に下着が白でない人がいて、先生が全体に注意していました」と続いた。

 「着替えの時にずっと見ているので、そこまで白じゃないといけない理由があるのかなと思いました。別に下着の色くらい見えないし、なんでもいい、誰にも迷惑をかけない、むしろ肌と似た色の方が透けにくい、などといろんな疑問があります」

 「ルールはルールなので守らないといけない」。生徒はそう記しつつ、最後は「納得できないままです」と結んでいた。

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 生徒が通う、神戸市立の中学校を訪ねた。校長は「投書を読んで、こんなふうに思っている生徒がいたのかと驚いた」と明かした。同校の教諭からも「子どもたちはそんなふうにとらえていたのか」との声が上がったという。

 校長によると、同校では生徒が着替える際、同性の教諭が立ち会うようにしている。「いじめの未然防止、虐待の早期発見などに気を配る」という、学校なりの目的があるという。特に最近は着替えの様子をスマホで隠し撮りし、拡散するといった巧妙ないじめが各地で報告されており、そうした事態を未然に防ぐ狙いもある。校長は「生徒たちの安全と安心のため、校内ではすべからく立ち会うのが基本」と話す。

 一方、下着の色については「華美にならない、望ましい白でお願いしている」が、「校則ではない」という。学校生活上のルールを記したハンドブックにも色の指定はない。ただ、繰り返し指導があったと思われることについては「この学年の担任教諭たちの中で守らせようという意志があったようだ」という。

 いずれにせよ投書があったという事実は、学校側の思いが生徒に伝わっていなかったことを示している。校長は「生徒の気持ちをつかみきれていなかったことが分かった。生徒のためという一心だが、時代の価値観とずれているところもあるだろう。これからは生徒や保護者の意見も聞きながら、柔軟に対応していきたい」と語った。

■「下着は白」の校則 全国では…

 校則の見直しは、既に一部の地域で始まっている。

 佐賀県教育委員会は昨年3月、高校や中学校など県立の51校に対し、計画的に校則の見直しを進めるよう通知。「児童生徒の人権を保障したものであること」など5つの視点を示して変革を促した。

 今年3月、その進ちょく状況を公表した=表。下着の色を白と指定していた学校は14校あったが、全校がその項目を削除。生徒会役員と職員が協議しながら取り組んだ学校も多かったといい、同県教委の担当者は「話し合いで合意形成をする課程が大事。今後も社会情勢に応じて見直していく」と話す。

 一方、共同通信社が4月、全国の都道府県と主要市区の計99教育委員会に行ったアンケートでは、2017年度以降、各学校に校則見直しを求める通知を出したのは3割弱の28教委にとどまった。兵庫県教委は本紙の取材に「以前から社会の変化や児童生徒の実態に応じて見直しを重ねるよう求めており、会議などの場で繰り返し伝えている」としている。

 神戸市教委は2月、文部科学省の「生徒指導提要」に基づき「校則における内容の設定、運用および定期的な見直しを」と各校に呼びかけた。コロナ禍で弾力的な対応が必要になったことも背景にある。

 市教委の大藪二三雄担当課長は「子どもと保護者、合意の上での校則作りのガイドラインを検討している」としている。

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