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兵庫県内の感染状況についてデータを示しながら説明する神戸大病院の宮良高維・感染制御部長=27日、神戸市中央区楠町7
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兵庫県内の感染状況についてデータを示しながら説明する神戸大病院の宮良高維・感染制御部長=27日、神戸市中央区楠町7
高齢者に新型コロナウイルスのワクチンを接種する医師=25日、神戸市中央区東川崎町1
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高齢者に新型コロナウイルスのワクチンを接種する医師=25日、神戸市中央区東川崎町1

 兵庫県では新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言が6月20日まで延長された一方、新規感染者は減少傾向が見えてきた。県の新型コロナ感染症対策協議会で有識者委員も務める神戸大病院の宮良高維感染制御部長は、医療現場の逼迫を知る立場から「ケアが必要な感染者数とは、その日の数だけではなく、直近2週間ほどの新規感染者の合計だ」と指摘し、引き続き警鐘を鳴らす。同時に、希望はワクチンにあるとし、「少しでも感染者を減らし、ワクチン接種を進めることで救える命がある」と訴える。(霍見真一郎)

 兵庫の1日当たりの新規感染者は100人前後まで減ってきたが、宮良氏は「1週間で約800人の患者が出ており、それ以外にも(診断を受けていない)無症状の感染者が多くいる」とし、宣言延長を評価する。宣言解除には「1日の新規感染者が20人以下に減れば」との目安を求める。

 これから蒸し暑い季節になり、コロナ対策では冬場より追い風になるとされるが、「それでも夏場に次の感染の波が来るのは間違いない。気候が味方になるといっても変異株で感染力が上がっており、感染者を十分抑えられないまま宣言を解除すれば、次の波は大きなものになる」とする。

 ■4月上旬に医療崩壊

 今回延長が決まった緊急事態宣言が始まったのは4月25日だった。宮良氏は「宣言発令は、3週間ほど遅かったと思う」と話す。

 「兵庫では3月末ごろ、病床不足により、入院患者数が増えるスピードが鈍化し始め、4月上旬には重症病床に入るべき患者が(入院できずに)あふれた」と振り返り、「この時、医療崩壊が起きたと考える」。

 厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症診療の手引き」によると、患者の5%が、人工呼吸器の装着など集中治療が必要となる。宮良氏が2週間の合計の感染者数を基に計算すると、4月9日時点では既に141人に集中治療が必要だったと考えられ、当時の県内の重症病床116床を超えていたことになる。

 これまでの対策の反省点として、宮良氏は「行政が、日々の新規感染者数にとらわれすぎていたのでは」と指摘する。

 ■「人ごと」と捉えず

 一方、市民生活や経済活動においては「自粛はもう限界」との声もある。一部にコロナを「感染しても、風邪のようなもの」と捉える人までいることについて、宮良氏は「周りで亡くなった人がおらず、数値だけを見ていて実感が湧かないのでは」とみる。

 行政でさえ認識が甘いと感じることがたびたびあるという。「危機的な状況を実感するために、行政機関のロビーに入院できない患者を集めて、そこで血中酸素濃度を測りながら病床を探す作業を職員が手伝うくらいでもいいと思う」

 ■ワクチンは光明

 感染状況は好転しつつあるが、最大の懸念は変異株だ。「インド株は、流行している英国株よりさらに感染力が強く、若い人でも感染しやすい。東京五輪で、海外から新しい変異株が持ち込まれないかも心配だ」

 宮良氏は、日程が近づく県知事選(7月18日投開票)についても「投票所は小学校や公民館など比較的広い場所を使うので、感染対策をすれば大丈夫だろう」としながら、「選挙運動はインターネットなどを活用し、なるべく対面しない形でやるべきだ」と説く。

 そんな中、希望となるのはワクチンだという。「感染症の歴史で、これだけ早く、これだけ効くワクチンができたのは初めて。自粛生活は大変だが、何とか継続して感染者数を減らし、ワクチン接種の順番が来れば、できるだけ早く受けてほしい」と呼び掛ける。

【図表】目で見る兵庫県内の感染状況

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