四季折々の風情と、大阪湾を見下ろす眺望が楽しめる六甲山頂の一帯。だが、そのすぐ脇では、17年前から動いていないロープウエーのさびた鉄塔やロープが異様な存在感を放つ。この光景に、神戸市西区の会社員男性(59)から「廃虚と化しつつあり、景観を害している。いつ撤去されるのか」との声が神戸新聞の双方向型報道「スクープラボ」に寄せられた。取材すると、そもそもロープウエーは廃止されていなかった。その事情とは-。(小谷千穂)
新型コロナウイルス禍で人混みを避けるため、六甲山に行く機会が増えたという男性は「標高は約930メートルだが、全国に自慢できる市民憩いの山と再認識した」と絶賛。一方で、ロープウエー跡を「印象が悪くなるのでは、といささか胸が痛みます」と残念がる。
全長約5キロの六甲有馬ロープウェーは、1970年に開業。山上駅(現・六甲山上駅)から天狗岩駅を通り、山頂のカンツリー駅(現・六甲山頂駅)をつなぐ「表六甲線」と、同駅から有馬駅をつなぐ「有馬線」があった。有馬温泉の利用客や登山客からの人気を集め、93年4月には乗客延べ1千万人を突破した。
しかし、阪神・淡路大震災の影響を受け、客足は徐々に減少。99年に新しいゴンドラを導入するなどで策を練ったが、表六甲線が2004年12月に営業休止となった。現在は有馬線のみ運行する。
表六甲線は、高さ約10~40メートルの鉄の支柱5本と、支柱をつなぐロープが約2・3キロにわたって設置されたままに。中間の天狗岩駅も木々に覆われつつある。
支柱の一つは六甲ガーデンテラス(同市灘区六甲山町)に隣接し、展望台「六甲枝垂れ」から海を見ようとすると、必ず目に入る。スタッフは「『あれ(支柱)邪魔やな』という声はよく聞きます」とこぼす。
◇
ロープウエーを所管する市外郭団体「神戸すまいまちづくり公社」を取材した。担当者は「上部だけでも撤去すると、事業をやめたことになるので…」と言いにくそうに答えてくれた。どういうことか。
表六甲線はあくまで「休止」。国立公園の中にあるため、廃止すると自然の状態に戻す必要がある。部品一つ残さず、支柱の基礎から取り除かなくてはならないが、作業は「土砂崩れの危険性があるのと、莫大な費用がかかる」という。
だから、運行停止17年後も「休止」の体を取って、安全を確保して現状維持を続けている。ちなみに「再開のハードルは非常に高い」という。
「六甲観光の表通りに、無残な姿をさらしているのは神戸市民として悲しい」とする男性の思いを伝えると、担当者は「いつまでもこのままというわけにはいかない。処分するか売却するか、検討はしていかないといけない」と話した。
神戸新聞社は、読者の投稿や情報提供を基に取材を進める双方向型報道「スクープラボ」に取り組んでいます。身近な疑問や困りごとから、自治体や企業の不正告発まで、あなたの「調べてほしい」ことをお寄せください。LINEで友だち登録(無料)するか、ツイッターのダイレクトメッセージで投稿できます。皆さんと一緒に「スクープ」を生み出す場。ご参加をお待ちしています。
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