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国の重要文化財に指定されることになった西脇小学校の木造校舎3棟(小型無人機で撮影)=西脇市西脇(撮影・大森 武)
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国の重要文化財に指定されることになった西脇小学校の木造校舎3棟(小型無人機で撮影)=西脇市西脇(撮影・大森 武)
モダンな外観が山あいに映える西脇小学校の木造校舎3棟(小型無人機で撮影)=西脇市西脇(撮影・大森 武)
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モダンな外観が山あいに映える西脇小学校の木造校舎3棟(小型無人機で撮影)=西脇市西脇(撮影・大森 武)
白を基調にした外壁が初夏の緑に映える西脇小学校(小型無人機で撮影)=西脇市西脇(撮影・大森 武)
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白を基調にした外壁が初夏の緑に映える西脇小学校(小型無人機で撮影)=西脇市西脇(撮影・大森 武)
窓枠や廊下にも木材が使用され、温かみのある雰囲気で子どもたちが学ぶ=西脇市西脇(撮影・吉田敦史)
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窓枠や廊下にも木材が使用され、温かみのある雰囲気で子どもたちが学ぶ=西脇市西脇(撮影・吉田敦史)
窓枠や廊下にも木材が使用され、温かみのある雰囲気が広がる=西脇市西脇(撮影・吉田敦史)
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窓枠や廊下にも木材が使用され、温かみのある雰囲気が広がる=西脇市西脇(撮影・吉田敦史)

 昭和初期に建築され、今年5月、国の重要文化財に指定するよう答申された兵庫県西脇市立西脇小学校で、木造校舎の歴史などを紹介する「記念室」開設の準備が進められている。記念室では、一時は取り壊しが検討されながら、市民の声を受けて改修、保存された経緯を伝える資料などを展示する計画。同じように文化財指定を目指す学校関係者や市民らに見てもらい、子どもたちの声が響く学びやから、歴史的建造物の価値を発信していく。(伊田雄馬)

 同校の校舎は、兵庫県の北播磨地域を中心に公共建築を多数手掛けた建築家の内藤克雄(1890~1973)が設計し、1934~37年にかけて完成。並行して建てられた3棟が渡り廊下でつながっており、文部省(現文部科学省)の当時の学校設計基準に準じた典型的な形式とされる。

 2013年には老朽化により取り壊しが検討されたが、保存を求める住民や卒業生らの声を受けて市が方針を転換。バリアフリー化や耐震補強などの改修を17~19年に実施し、建設当時に近い形で使用されている。今後、官報告示を経て正式に国重文に指定される。

 校舎は、地場産業の播州織で潤った当時の地元行政の財政力を反映し、高額な建設費が投じられた。西脇市教育委員会によると、当時の西脇町の決算書には3棟の工事費が計12万7千円とある。町の年間歳出額(約5~6万円)の2倍に相当し、市教委は「播州織の隆盛による人口増に対応するため、巨額の費用を投じたと考えられる」とする。

 14年に「西脇小学校校舎基本計画検討委員会」の委員長に就き、校舎の改修、保存の中心を担った神戸大学の足立裕司名誉教授は、校舎の資材なども分析した。「当時利用可能な材料や技術を幅広く検討した上で、校舎を完成させていたことが分かった」と話す。

 その例が外壁に用いられた石綿スレート材。「それ以前に用いられていた板材と比べ、耐久性が比べものにならないほど高い」という。現在は使用が禁じられているが、「校舎を長く維持できた理由の一つ。新素材を的確に導入しようとしたのでは」と推測する。

 得られた知見を広く知ってもらおうと、足立名誉教授が「校舎の歴史や改修過程が理解できる場所を設けては」と市に提案し、記念室が計画された。公立の学校内にこうした施設を設けるのは珍しいという。

 記念室は年内のオープンを予定し、学校敷地南側の「第一校舎」2階の旧家庭科室に置く。展示の中心は、改修前の旧校舎の床板や腰板、天井材など史料的価値の高い資材。改修の工程をパネルやパンフレットで解説し、住民説明などで用いられた完成後の校舎模型も掲示する。「歴史的価値を学ぶだけでなく、次回の改修に必要な構成部材を保管する場にもなれば」(市教委)と構想を練る。

 また、市は重文指定を記念したシンポジウムも計画。今年の秋~冬ごろに開催を予定し、足立名誉教授や文化庁の担当者、建築関係の学識者らを招くという。

     ◇     ◇

■「現役」も高評価、指定されれば全国3例目

 国の重要文化財に指定される西脇小学校は、現役の校舎である点も高く評価された。現役の小学校舎が指定されるのは全国3例目で、兵庫県内では初となる。

 大学まで範囲を広げると、兵庫県内では国重文となった現役校舎の先行例として、2014年9月に指定された神戸女学院(西宮市岡田山)のキャンパスがある。米国出身の建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズ(1880~1964年)が設計を手掛けた、瀟洒(しょうしゃ)な洋風の図書館や文学館など12棟が指定されている。

 また国重文ではないが、国の登録有形文化財となっている校舎として、灘中学・高校(神戸市東灘区)や甲南女子中高・大学(同)、神戸大学(同市灘区)などがある。県立校では長田高校(同市長田区)の神撫(しんぶ)会館が登録されている。これらの建築について、県教育委員会は「今後、指定文化財への“格上げ”もあり得る」と期待を込める。(伊田雄馬)

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